元
CCR5 Is a Therapeutic Target for Recovery after Stroke and Traumatic Brain Injury
2019 2月 アメリカ
CCR5はエイズウィルス(HIV)がリンパ球に浸入する際の受容体遺伝子として1996年に発見された。
2016年、CCR5をノックアウトしたネズミで記憶や学習能力 シナプスの可塑性が強化されることが明らかになった。
そこでCCR5が脳卒中治療のターゲットにもなりうるものか たしかめてみたそうな。
1)脳卒中にしたネズミの運動前野にCCR5をノックダウンするRNAウィルスを注入して回復を観察した。
2)CCR5の拮抗薬(エイズ治療薬)でも同様の観察をした。
3)CCR5が機能しない変異(CCR5-Δ32)をもつ人での脳卒中回復度を検証した。
次のようになった。
・脳卒中のあとCCR5の皮質上での発現が増えた。
・CCR5をノックダウンしたネズミの運動機能の回復は速く、樹状突起スパインの維持と複数の神経伝達物質が増加していた。
・CCR5拮抗薬をもちいた場合も同様の運動機能と認知機能の回復がみられた。
・イスラエルでの軽中程度の脳卒中をフォローした臨床試験(TABASCO study)の被験者のうち、CCR5-Δ32をもつ者の神経症状と認知機能の回復度はあきらかにおおきかった。
これらの事実から、CCR5には脳卒中の回復を抑えるはたらきがあると考えられる。マラビロクなどの拮抗薬を使うことで回復を促すことができるようになるかもしれない、
というおはなし。
感想:
CCR5-Δ32は被験者の15.2%いて、かれらの89.7%はアシュケナージ系のユダヤ人だったと書いてある。(変異のないグループでのアシュケナージ率は57.6%。)
しらべると北ヨーロッパ人にはこの変異の率が高く アシュケナージはとくに高いという。
おそらくユダヤ人の知能が高いとされる理由は CCR5の抑制がはずれているから。
さらに CCR5が機能しない変異を持った彼らはエイズを発症しない。
エイズはユダヤ人が人類削減計画のために開発したウィルス兵器であるとする説に若干の信憑性を感じる。
ちなみに中国人科学者が受精卵のゲノム編集でエイズにならないよう設計した双子女児の誕生ニュースがすこしまえにあった。このときのノックダウン対象がCCR5だったという。