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Two Weeks of Ischemic Conditioning Improves Walking Speed and Reduces Neuromuscular Fatigability in Chronic Stroke Survivors
2019 1月 アメリカ
脳卒中患者の20-25%は介助なしには歩くことができない。リハビリをおこなっても歩行速度がほんの少しあがる程度である。
この状況を改善する方法として「虚血コンディショニング」が話題にのぼるようになった。
虚血コンディショニングは1986年に虚血臓器の保護目的で考え出されたもので、のちに心血管保護効果があきらかになり、さらに手脚の筋肉パフォーマンスを改善する効果が「加圧トレーニング」として注目された。
そのメカニズムはよくわかっておらず、脳卒中の手脚の麻痺への応用はまだほとんどない。
また心血管への虚血コンディショニングの経験から、有効なタイムウィンドウに短期(-12時間)と長期(24-72時間)があることがわかっている。
そこで脳卒中の麻痺脚への虚血コンディショニングを、短期効果はすでに確認済みなので、長期におこなったときに歩行能力が改善するものか実験してみたそうな。
慢性期の脳卒中で片麻痺の患者22人について、
1回5分間の虚血コンディショニングを5回x2週間おこなった。
虚血コンディショニングでは麻痺側の腿を225mmHgまたは10mmHg(比較グループ)で締め付けた。
この間、歩行訓練や理学療法の類は行わなかった。
その後、自己快適歩行速度での10mテスト、膝伸筋トルク、筋力持続時間を比べたところ、
次のようになった。
・歩行速度は0.86→1.04m/sとあきらかに速くなった。比較グループでは0.92→0.96m/sだった。
・膝の最大筋力は両グループともに差が生じなかった。
・しかし筋力持続時間は278→496sとあきらかに伸びた。比較グループでは397→355sだった。
虚血コンディショニングで慢性期脳卒中患者の歩行速度と筋肉疲労への抵抗性が改善した、
というおはなし。
感想:
アマゾンで「加圧トレーニングベルト」が数千円で売ってるから、締めては緩めてを5分間隔くらいでやると歩きがよくなるハズ。
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