元
A systematic review of physical rehabilitation interventions for stroke in low and lower-middle income countries
2018 12月 アイルランド
脳卒中による障害や早死による世界全体の人的損失年数の78%は中低所得国で発生しているという。
これらの国々では脳卒中リハビリにあてられるあらゆるリソースが限定的であり高所得国の真似をすることができない。
そこで中低所得国で効果的とされる脳卒中の身体リハビリテーションの種類についてこれまでの成果をまとめてみたそうな。
中低所得国の成人脳卒中患者を対象とした身体リハビリテーションに関係する質の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・被験者2115人を含む62の研究がみつかった。大半はインドのものだった。
・内訳は、上肢関連が26件、下肢22件、その他14件だった。
・研究の質的には、強7件、中16件、弱39件と分類でき、
・全体として身体リハビリテーションにより患者の回復が促された。
・特にエビデンスレベルが高かったものは、CI療法とミラーセラピーによる上肢リハビリおよび、
・運動イメージ訓練による歩行リハビリだった。
・次いで、立ち上がり訓練(sit-to-stand training)でのバランス改善効果だった。
中低所得国の脳卒中リハビリ研究の結果、ミラーや運動イメージによる脳内トレーニングおよび上下肢の繰り返し運動が効果的でかつ低コスト シンプルな方法として評価されていた、
というおはなし。
感想:
むしろこういう環境でこそ真の実力が試される。
CI療法(=課題指向型訓練)はナンセンスであることが最近あきらかになったので除外するとして、
ミラーセラピーの発案者はインド人だから一番人気は納得。
そして安定のメンタルプラクティス(運動イメージ訓練)か。