元脳卒中による死亡や障害での全世界的負担の7-8割は中低所得国で発生しているという。これらの国々での脳卒中予防策は高所得国のそれとおおきくことなる。
Global, Regional, and Country-Specific Lifetime Risks of Stroke, 1990 and 2016
2018 12月 アメリカ
ある年齢以上の成人が残りの人生で脳卒中になる確率を他の病気で死亡する可能性も考慮にいれて評価した「生涯リスク」がわかれば予防戦略の助けになる。
そこで195ヶ国で328の疾病について研究する「世界の疾病負担(Global Burden of Disease : GBD)スタディ2016」のデータを使って世界の脳卒中生涯リスクを評価してみたそうな。
GDBスタディ1990および2016から、
25歳以上の成人の脳卒中の生涯リスクを男女別、脳卒中の種類別、国の所得教育レベル別、に評価 比較したところ、
次のことがわかった。
・世界全体の脳卒中生涯リスクは24.9%で、男性は24.7%、女性は25.1%だった。
・脳卒中の種類別には脳梗塞が18.3%、脳出血は8.2%だった。
・所得と教育レベルによる指標が、"高"の国では23.5%、"中"で31.1%、"低"では13.2%だった。
・生涯リスクのもっとも高い地域は、東アジア38.8%、中央ヨーロッパ31.7%、東ヨーロッパ31.6%で、もっとも低い地域は サブサハラ アフリカ11.8% だった。
・1990年の生涯リスクは22.8%で、相対比で8.9%増大した。
2016年時点で25歳以上の成人の脳卒中の生涯リスクは男女ともにおよそ25%だった。地域により差があり、とくに東アジア、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパで高かった、
というおはなし。
感想:
東アジアはおもにリスク39.3%の中国を指す。上の図みると、仮に中国を除くと脳卒中は有色人種におきにくい印象がある。