元
The effect of theta-burst stimulation on unilateral spatial neglect following stroke- a systematic review
2018 10月 カナダ
半側空間無視の治療には視覚走査訓練、プリズムメガネ、アイパッチ、投薬などの方法があるがいずれも効果が短く、状況限定的である。
いっぽう非侵襲的な脳刺激法として経頭蓋磁気刺激(TMS)が治療に用いられることがある。これは脳半球間の拮抗モデルにもとずいて、片方の脳半球を活性化または抑制することで脳卒中によるバランスの崩れをただすという考え方で 半側空間無視にも期待されている。
さらに初期のTMSでは刺激パルスが単発的だったのにたいし、機器の進歩により高速にパルスを繰り出せるようになった。とくに可塑性が促されるとされる脳波のシータ波(4-7Hz)相当のリズムをもったTMSパルスの群れをシータバースト刺激(TBS)と呼ぶ。
シータバーストを間欠的(iTBS)または連続的(cTBS)にあたえる方法があり、それぞれシナプスの長期増強(LTP), 長期抑制(LTD)効果が得られるとされている。
そこで半側空間無視治療へのTBSの効果をこれまでの研究からまとめてみたそうな。
おもに脳卒中で半側空間無視になった患者へのTBS治療に関する論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・被験者148人を含む9の論文がみつかった。
・8件がcTBSで1件がiTBSによるものだった。
・いずれの刺激法でも半側空間無視がおおきく改善していた。
・TBSに視覚走査訓練を加えてもさらなる改善は見られなかった。
・症状のとらえかたや治療手順に研究ごとのばらつきがおおきかった。
脳卒中の半側空間無視の治療にはシータバースト刺激が有効そうにみえた。しかしエビデンスの質は高いとはいえなかった、
というおはなし。
感想:
効果あるのかもしれんけど、1日ほんの数10分間の刺激を2週間やってもらうために なん10万円も支払うことが見合うのかどうか、、、が問題。
新しい磁気刺激治療法 シータバーストとはなんなのか