元
Cerebral Motor Functional Connectivity at the Acute Stage- An Outcome Predictor of Ischemic Stroke
2018 11月 台湾
脳卒中の回復予測は神経症状の重さや梗塞の体積 位置をもとにしておこなわれているがあまりあてにならない。梗塞がちいさいからといって回復良好になるともかぎらない。
いっぽう安静時fMRIは通常のMRI検査に付け加えることができ、被験者に検査中の課題をあたえる必要がない便利なツールである。
安静時fMRIをつかうと脳の異なる部位どうしが同期して活動している程度(Functional Connectivity:機能結合)を評価することができる。
運動ネットワークの機能結合が脳損傷後の数時間内に低下することや運動障害の回復にともない変化することがわかっている。
これまで脳卒中の機能結合にかんする研究は急性期のものがほとんどなくサンプル数もとてもすくなかったので、急性期の患者をたくさんしらべてみたそうな。
発症から3-7日の脳梗塞患者67人と同数の健常者について、安静時fMRIデータを取得した。
3ヶ月後の回復不良(mRS2以上)患者の運動ネットワークの機能結合上の特徴を解析したところ、
次のことがわかった。
・3ヶ月後、患者全体の34%が回復不良だった。
・損傷脳半球の一次運動野(iM1)と対側の前頭前野背側(cPMd)の機能結合が回復不良とあきらかな関連をしめし、
・ROC曲線を描くことができて、この機能結合が0.63以下では回復不良と判定できた。
・デフォルトモードネットワーク(後帯状皮質-前頭前皮質-下頭頂小葉-膨大後部皮質-海馬前部)の機能結合に変化はなかった。
急性期の脳梗塞患者について、運動ネットワークの半球間の機能結合から予後を見通せるようになるかも、
というおはなし。
感想:
解析ソフトウェアのブラックボックス感がアレだけど、とても期待している。
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