元
A randomised controlled trial of a walking training with simultaneous cognitive demand (dual task) in chronic stroke
2018 10月 イギリス
脳卒中経験者が地域で安全かつ目的をもって生活するためには単に歩けるだけではなく、歩行中の視覚や聴覚からの複雑な状況変化を判断しながら移動できることが必要である。
しかし脳卒中経験者は運動と認知課題を並行して処理する「二重課題能力」が低下していることがわかっている。
二重課題処理能力を鍛えることで脳卒中経験者の身体活動量が増えたとする報告がわずかながらある。
これをたしかめるべく、10週間の二重課題訓練プログラムを実験してみたそうな。
発症から6ヶ月以上経ち見た目あきらかな歩行異常のある脳卒中経験者50人を2グループに分けた。
1回30分間のトレッドミル有酸素運動を週2回x10週間行った。
いっぽうのグループには並行して認知課題(聴覚ストループ、連続引き算、時計の針推定、同じ文字で始まる単語、物の別の使い道、同じ特徴のもの、ラジオ聴取、プラン建て)を与えた。
訓練の終了からさらに12周間後までフォローしたところ、
次のようになった。
・2分間歩行距離の改善度は、二重課題グループで90.7→103.5mに、歩行のみグループでは86.7→92.8m だった。
・アンケートによる身体活動量スコアは、二重課題グループで74.3→89.9に、歩行のみグループでは94.7→77.3 になった。
・統計学的には二重課題グループでの身体活動時間が増えたと解釈できた。
歩行に認知課題を加える10週間の訓練で身体活動時間が増え、その効果が12週間以上つづいた、
というおはなし。
感想:
チコちゃんふうに「ボーッと歩いてんじゃねえよ!」ってことかな。
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