元
Therapeutic Vaccine Against S100A9 (S100 Calcium-Binding Protein A9) Inhibits Thrombosis Without Increasing the Risk of Bleeding in Ischemic Stroke in Mice
2018 10月 日本
日本の再発脳梗塞患者の40%は抗血栓薬の服用をやめてしまっていた、という報告がある。
抗血栓能をもたせるワクチンを使えれば、効果が長続きするので毎日薬を飲む必要がなくなる。しかし出血作用も持続してしまう問題があった。
さいきんの研究で血管が傷ついたときにできるS100A9というタンパク質の働きを抑制すると血栓形成が抑えられかつ止血機能に影響しないことがわかってきた。
そこでS100A9への免疫を作るためにこれをワクチンとして与えて、血栓形成への影響と出血可能性についてしらべてみたそうな。
ネズミで実験したところ、
次のようになった。
・S100A9の抗体が2ヶ月間以上増加した。
・血液が凝固するまでの時間が延び、クロピドグレルの効果に匹敵した。
・抗血栓効果は84日間持続した。
・出血するまでの時間に影響はなかった。
・自己免疫反応は起きなかった。
ワクチン接種によって出血リスクや自己免疫反応なしに血栓形成を長期に抑えることができた。脳梗塞の再発予防が期待できるので遠くないうちに臨床実験したい、
というおはなし。
感想:
出血もんだいはハンパないからね。
脳内出血に占める抗血栓薬使用者は4割以上で、かれらは出血が止まらずに亡くなる↓。
血液サラサラのおくすりで脳内出血が急成長する
ついさいきん、世界でもっとも権威ある医学誌でもその危険性があきらかにされた↓。
NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険