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Association between incongruence about survivor function and outcomes among stroke survivors and family caregivers
2018 9月 アメリカ
脳卒中患者が自宅へ退院したのち、患者の29% 介護者の41%にうつ症状があらわれるという報告がある。
患者の身体や認知機能 社会参加についての自身の評価と介護者による評価のズレがこれまでもおおく指摘されてきた。
そこで、患者と介護者のこれら不一致を 各機能的側面と時間経過についてくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中患者とその家族介護者の32組を選び、
患者の記憶と思考能力、コミュニーケーション、移動能力、日常生活動作、社会参加、の各項目について、
患者自身によるスコアと介護者によるスコアの両方をしらべた。
この調査を発症から3ヶ月後 7ヶ月後に実施して経過比較した。
次のようになった。
・脳卒中患者は自身の記憶 思考能力を、介護者による評価よりもはるかに高く考えていた。
・3-7ヶ月後、患者は自身のコミュニーケーション能力の進歩を介護者よりもとても高く評価していた。
・記憶と思考能力についての患者と介護者の不一致は両者が感じる苦痛(distress)と関連があり、
・日常生活動作評価での不一致および社会参加評価の不一致は、いずれも介護者の苦痛と関連があった。
脳卒中患者の各種機能に関する自己評価と介護者による評価の不一致はめずらくなかった。これらの食い違いはすぐに解決するものではなく 両者の苦痛の原因になりえた、
というおはなし。
感想:
ズレの原因には脳卒中患者による過大評価と 介護者による過小評価の2つの可能性があるけど、
経験的に あきらかに患者自身の過大評価がもんだい。
これは自動車運転にたいする姿勢によくあらわれる。
健康なひとが細心に注意してさえ事故を起こすのに、脳が破壊されて手足にしびれの残る状態でなお「自分なら運転はだいじょうぶ!」と考えられる "異常さ" にいまごろになって思い至るようになったよ。