元
#Fake news- a systematic review of mechanical thrombectomy results among neurointerventional stroke surgeons on Twitter
2018 9月 カナダ
ツイッターやブログ、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス SNSを用いて情報発信する医師が増えた。
彼らのうち、特に脳外科医は脳梗塞患者の血栓をかき出す機械的血栓除去術(mechanical thrombectomy)の事例をしばしばSNS上で得意げに報告している。
彼らがうまくいったケースだけを報告している傾向、いわゆる出版バイアス(publication bias)がどの程度のものなのかくわしくしらべてみたそうな。
2006-2018のツイッター上で 発信者自身がおこなった急性脳梗塞患者への機械的血栓除去術の事例を複数のレビュアーがまとめあげて、
この分野のゴールドスタンダードであるHERMESトライアルの結果(文献値)と比較したところ、
次のことがわかった。
・ツイッター事例の再灌流成功率は 94% vs 71%で文献値よりもあきらかに高く、
・その回復良好率も 81% vs 21% で非常に高かった。
・合併症や対応すべき脳出血事例の報告はまったくなかった。
・文献値では15.3%ある致命率もツイッターでは 0%だった。
脳外科医がSNSに流す情報は現実とかけはなれていた。信用してはいけない、
というおはなし。
感想:
この種のバイアスが自然に生じてしまうことや自身のもつ社会的影響力の大きさを理解できているほとんどのお医者さんは、そもそもSNSで仕事のことを語らない。
それよりも、21世紀にもなってひとの脳血管を下水管掃除のように扱う治療法?があることに驚きを禁じ得ない。