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Electroconvulsive therapy and later stroke in patients with affective disorders
2018 8月 デンマーク
電気けいれん療法(Electroconvulsive therapy:ECT)は気分障害に用いられることがあり、抗うつ薬が効かない患者や脳卒中後うつにも使えると考えられる。
ECTの副作用として健忘症、頭痛、失見当などがある。心血管パラメータや脳循環系への影響から理論的には脳卒中の引き金になりうるがそのエビデンスはみつかっていない。
そこでECTと脳卒中との長期的関連をくわしくしらべてみたそうな。
2005-2016の情動障害の患者174534人の記録から、
脳卒中歴のない162595人と
脳卒中歴のある11939人についてECTとの関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・脳卒中歴のないグループでは3.6%がECTをうけ、3665件の脳卒中がありこのうち165人がECTをうけていた。
・このとき50歳未満に限定するとECTと脳卒中の関連はなく、50歳以上ではECTにより脳卒中リスクが0.69倍に下がった。
・脳卒中歴のあるグループでは1.9%がECTをうけ、2330人が脳卒中を再発してこのうち26人がECTをうけていた。
・このときECTと脳卒中の関連は確認できなかった。
電気けいれん療法は脳卒中やその再発リスクとあきらかな関連はなかった、
というおはなし。
感想:
電気けいれん療法は家畜を屠殺する際に効率よく意識を飛ばすために洗練されてきた方法なのだという。
21世紀なんだからもうすこしましなやりかたはないのかね。