元
Impact of clinical severity of stroke on the severity and recovery of visuospatial neglect
2018 7月 オランダ
半側空間無視は通常、損傷脳半球の反対側に注意障害がおきる。そして脳卒中が重症のばあいには同側にも無視が生じる。
そこで、重症脳卒中の半側空間無視とその症状の時間的変化をしらべてみたそうな。
右脳の脳卒中患者90人を非常に重症である 完全前循環梗塞(total anterior circulation infarct:TACI)38人と非TACIグループ52人にわけた。
半側空間無視の程度は文字抹消検査(letter cancellation test:LCT)で損傷脳の対側、同側についてしらべた。
発症から 1, 2, 3, 4, 5, 8, 12, 26週までその自発的な改善変化をフォローしたところ、
次のことがわかった。
・同側と対側の無視については臨床的重症度とLCTの取りこぼし数とのあきらかな関連はなく、
・いずれの場合も その数は時間が経つにつれ徐々に減少した。
・TACIタイプの重症脳梗塞では同側の無視症状の回復スピードがあきらかに遅かった。
広範囲におよぶ脳梗塞では同側への空間無視症状の回復があきらかに遅かった。しかしこれら症状は時間が経つにしたがい自発的に回復していった、
というおはなし。
感想:
この回復パターンは比例回復則 (proportional recovery rule)のそれとおなじで、そこから外れる患者こそが治療対象になるべきだって。