元
Absence of a Transcranial Magnetic Stimulation–Induced Lower Limb Corticomotor Response Does Not Affect Walking Speed in Chronic Stroke Survivors
2018 7月 アメリカ
脳卒中で麻痺した上肢が回復する条件として、運動野への磁気刺激(TMS)で生じる運動誘発電位(MEP)が観測されることを挙げる報告は少なくない。
しかし下肢の運動機能についてMEP反応があることを回復の条件とする報告はほとんどない。
これを確かめるべく運動野から下肢筋肉へのMEPの有無と歩行能力との関連をくわしくしらべてみたそうな。
慢性期脳卒中患者61人について、
損傷脳側の運動野をTMSで刺激して麻痺脚の前脛骨筋および大腿直筋へのMEPの有無を測定した。
歩行スピード、6分間歩行距離、タイムアップアンドゴーテスト、下肢筋力との関連を解析したところ、
次のようになった。
・患者はMEPあり28人とMEPなし33人に分けられた。
・両グループ間で歩行能力にあきらかな差はなかったが、
・MEPありグループでは麻痺足首の背屈筋力が高かった。
・MEPパラメータと歩行回復度との関連はなかった。
脳卒中患者への経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位と歩行能力とのいかなる関連もみつけることができなかった、
というおはなし。
感想:
この理由として、
皮質脊髄路ではなく網様体脊髄路を迂回している、もしくは健常脚がうまく代償運動しているだけではないか、、っていってる。