元
Does botulinum toxin treatment improve upper limb active function?
2018 6月 イタリア
脳卒中後の痙縮は機能障害や能力障害のおもな原因であり、とくに上肢での影響がおおきい。
痙縮はボツリヌス毒素の筋肉注射により局所的に緩和できる。しかしこれによって上肢機能が改善するかどうかについては結論がでていない。
そこでこれまでの研究を総括してみたそうな。
脳卒中で麻痺した上肢痙縮へのボツリヌス療法と 障害にかんする数々の研究についてナラティブレビューを試みたところ、
次のことがわかった。
・治療の評価は disability assessment scale (DAS) や goal attainment scale (GAS) といった通常あまり用いられない特別な指標が使われていた。
・いくつものメタアナリシスではきわめてわずかな効果量が示されるのみで、ボツリヌス療法による麻痺上肢の日常生活動作上での機能的改善はまったくみられなかった。
ボツリヌス療法による痙縮緩和が上肢の機能改善につながっていなかった。もっと元気な患者を対象にして幾度も注射を繰り返せば良い結果が得られるのかもしれない、、
というおはなし。
感想:
6年ほど前に上の図の disability assessment scale (DAS) がボツリヌス療法でのみ好んで使われていることを知り、そのどうとでも解釈できるガバガバな評価内容に衝撃をうけた。
おかげでボツリヌス療法のなんたるかを一瞬で理解できた。