元
Identification of potential organ donors after aneurysmal subarachnoid hemorrhage in a population-based neurointensive care in Eastern Finland
2018 6月 フィンランド
移植臓器の不足は世界的なもんだいである。
脳死になる件数は外傷性の脳損傷よりもくも膜下出血患者のほうが2倍以上おおい。
これらのくも膜下出血患者から効率よく臓器摘出できれば移植待ちのおおくの患者を救うことができる。
フィンランドでは2010年に原則として本人の明らかな提供拒否(opt-out)の意思表示がないばあいには "推定同意"(presumed consent)にもとずく臓器摘出が可能になったことから この前後でのくも膜下出血患者の臓器提供率の変化について調べてみたそうな。
2005-2015のフィンランド東部地区のくも膜下出血患者769人のうち、14日以内に亡くなった145人(患者全体の19%、脳死を含む)を臓器提供の可能性があるとし、実際の臓器提供記録を分析したところ、
次のことがわかった。
・この145人のうち心停止者を除く83人(57%)が臓器提供候補者となった。
・さらに拒否者や不適合者を除いた49人(34%)が実際の臓器提供者になった。
・このときの臓器提供率は 49/83x100=59% だった。
・候補者のうち臓器提供に至らなかった者の 44%は近親者による拒否、53%は医療禁忌によるものだった。
・2005-2010には近親者による拒否が11件あり臓器提供率は52%だったが、
・新たな原則が適用された2010-2015には拒否数は3件のみで臓器提供率は74%になった。
くも膜下出血患者のおよそ20%が入院後14日以内に死亡し、その約半数が心肺停止していた。その結果、くも膜下出血患者の11%が臓器提供候補者になった。かれらが実際に臓器提供をした率は推定同意原則の導入前後で52%→74%に向上した。このプロセスをさらに効率よく運用してゆきたい、
というおはなし。
感想:
じぶんの運転免許証の裏には「私は臓器を提供しません」の項目に二重丸をつけてある。
こういうこと↓あるからね。
すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験