元
Dual-Task Walking in Challenging Environments in People with Stroke: Cognitive-Motor Interference and Task Prioritization
2018 5月 オランダ
歩行は強く意識しなくてもできる運動であるが、これに別の認知課題が加わると歩行スピードが落ちたり認知課題スコアの低下を招く。
これを「二重課題干渉効果」と呼び、特に脳卒中患者で顕著であることがわかっている。
歩行課題に障害物を置き難度を高めた場合、認知課題よりも運動課題が優先されると考えられていて、これを 姿勢優先原理(posture-first principle)と呼ぶ。
そこで、歩行課題にバリエーションをもたせたときに 二重課題干渉効果と優先度に違いがでるものか実験してみたそうな。
脳卒中患者30人について、
連続引き算をさせながらの10メートル歩行を次の3条件下でおこなった。
*平坦路
*障害物あり
*仮想の障害物がプロジェクターで突然投影される
引き算精度と歩行スピードを測定し 解析したところ、
次のようになった。
・2種の障害物状況下で平坦路よりも強い二重課題干渉効果がみられ、
・これら2つの障害物状況下での干渉効果のおおきさに差はなかったが、
・課題優先度には差が生じた。
・リアル障害物では運動課題がおおきく優先されたが、プロジェクター障害物では認知課題スコアがより優れていた。
脳卒中患者の二重課題干渉下で環境のちがいにより優先度に差が生じることを示せた、
というおはなし。
感想:
たとえると運転中、緊急車両が近づいてきて頭がいっぱいいっぱいになり信号をあえて無視してしまった、、、みたいなものかな。
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