元
Number of Cigarettes Smoked Per Day, Smoking Index, and Intracranial Aneurysm Rupture: A Case-Control Study
2018 5月 中国
未破裂の脳動脈瘤は成人の3%ちかくにみつかるという。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は非常に死亡率が高いものの、未破裂の脳動脈瘤が破裂する年間リスクはそれほど高くない。
したがってクリッピングなどの手術を受けるよりも生活習慣から破裂予防に徹する方がメリットが大きいとする考え方もある。
いっぽう 喫煙習慣は脳動脈瘤破裂のあきらかなリスク要因であり、破裂患者の50-60%は喫煙者という報告がある。
喫煙を定量的にあつかった調査は少ないので、1日あたりの本数(CPD:cigarettes smoked per day)と喫煙インデックス(CPD x 喫煙年数)をつかって破裂リスクを評価してみたそうな。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者127人と、
同性同年齢の未破裂脳動脈瘤をもつ患者254人について喫煙状況を調査し、関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・破裂リスクと喫煙量は相関し、
・現在喫煙者の破裂リスクは非喫煙者の2.3倍、
・CPD20以上のヘビースモーカーでは2.8倍、
・喫煙インデックス800(1日20本40年間相当)以上だと11.4倍だった。
・1年以上吸っていない喫煙経験者のリスクは1.1倍だった。
1日の喫煙量と継続年数が脳動脈瘤の破裂リスクと用量関係にあった。喫煙習慣は改めることができるので禁煙で破裂予防しましょう、
というおはなし。
感想:
たまたま血管がこぶになっているところをクリップでつまむことを治療と称する考え方には「信念」以上の根拠はないと思っている。
その理由↓
1) 再出血予防のクリッピング手術のRCTは存在しない。(by ガイドライン)
2) 入院が遅れるほど死亡率は下がる。
3) もっとも再出血しやすい24時間以内の手術にまったく効果がない。