元
Age-related changes in the gut microbiota influence systemic inflammation and stroke outcome
2018 5月 アメリカ
消化管と中枢神経系は相互作用することがわかっていて「腸脳相関」と呼ばれている。しかし腸脳相関と老化との関係はあきらかになっていない。
そこで 老化病でもある脳卒中モデルについて、高齢者に若年者の腸内細菌を移植するとどのような変化がもたらされるか、動物実験してみたそうな。
高齢ネズミと若年ネズミについて、
抗生物質で自身のもつ腸内細菌叢を除去したのち、別の 年齢の異なるネズミの糞を食事に混ぜて 5日間与えた。
2ヶ月後、人為的に脳梗塞にして その後の行動検査、生存率、炎症反応などをしらべたところ、
次のことがわかった。
・食糞させなかった若いネズミの腸内細菌叢の老化度を示す FirmicutesとBacteroidetes の比(F/B)は、脳卒中後に9倍になり高齢ネズミのそれと同レベルになった。
・若年ネズミへ与えた高齢ネズミの糞によりF/Bは6倍になり腸内細菌叢が高齢ネズミ化した。さらに死亡率は上昇し、運動機能が低下した。炎症性サイトカインも増加した。
・逆に高齢ネズミに与えた若年ネズミの糞により、F/Bは9分の1になり腸内細菌叢が若年化し、生存率が改善した。
年齢と腸内細菌叢の状態が脳卒中からの回復に影響することがわかった。食事から他人の糞を摂り込むプロバイオティクス的脳卒中対策が可能かも、、
というおはなし。
感想:
この論文によると、人に応用する場合の「食糞レシピ」はこれ↓
若者の大便100gを1リットルの生理食塩水に溶いて、その上澄みを50ccずつ凍らせて保存し 毎日1つ食事に混ぜる。勝手にやると危険そうなので お医者様に相談したほうがいい。
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