元
Prefrontal over-activation during walking in people with mobility deficits: Interpretation and functional implications.
2018 3月 アメリカ
歩行機能を自動制御している中枢神経系に脳卒中などでダメージがおよんだ場合、足りなくなった注意や運動制御に要するリソースを他の領域に求め補うという考え方がある。
このあたりを確かめるべく歩行課題を複雑にしていったときの前頭前野の活動を 異なる被験者グループで測定してみたそうな。
若い健常者9人と
歩行困難のある高齢者15人、
片麻痺の脳卒中患者24人について
*通常歩行、
*障害物ありの歩行、
*言語課題(与えた文字で始まる単語を多く言わせる課題)中の歩行、
の各状況下での課題直後とさらに30秒後の前頭前野の酸化ヘモグロビンの量を近赤外線分光器で測定した。
また歩行スピードをもって歩行機能とした
次のようになった。
・通常歩行時とくらべたときの障害物歩行時の前頭前野の活動レベルはグループごとにあきらかに異なり、若者がもっとも低く 次いで高齢者<脳卒中患者 の順だった。
・同様に歩行スピードの低下度も 脳卒中患者>高齢者>若者 の順でおおきかった。
・若者の場合、通常歩行時の活動レベルが言語課題歩行時にくらべ非常に低いことから前頭前野の処理リソースがとてもおおきいことが伺える。
・高齢者と脳卒中患者では歩行課題の複雑さを上げると歩行機能が低下したことから、CRUNCH(Compensation-Related Utilization of Neural Circuits Hypothesis)仮説に則っていると考えられた。
高齢者や脳卒中患者の前頭前野は歩行の複雑さを増すと過活動になりその働きは限界に達し歩行機能が低下した、
というおはなし。
感想:
まだまだ若いとおもっていたけど、期せずして脳みそだけ高齢者の仲間入りをしてしまったようだ。
さいきん自動車運転中に同乗者と天気についての会話ができるようになってきたけど、記憶をたどる必要のあるやや複雑な話題になると とたんに返事ができなくなってしまう。
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