元
Trends in stroke subtypes and vascular risk factors in a stroke center in China over 10 years.
2018 3月 中国
中国ではこの10年間に急激な経済成長を遂げ、人々のライフスタイルや医療技術もおおきく変化した。
そこで、この間に脳卒中の種類とリスク要因がどのように変化してきたかを詳しくしらべてみたそうな。
2006-2015に北京大学病院に入院した脳卒中患者5521人の記録を解析したところ、
次のことがわかった。
・患者の内訳は脳梗塞82.1%、脳内出血14.7%、くも膜下出血3.2% だった。
・脳梗塞の比率は増加傾向にあり、脳内出血とくも膜下出血は低下傾向にあった。
・発症時の年齢と血圧におおきな変化はなかった。
・脳梗塞ではアテローム血栓性が17.0→30.8%に増加した後24.1%まで低下し、
・ラクナ梗塞は15.5%→39.6%に増加した。
・原因未定の脳梗塞は52.7%→26.0%に減少した。
・これらの傾向は頭蓋内血管検査数の増加を調整しても変わらなかった。
・LDLコレステロール値はあきらかに減少した。
・心原性脳梗塞の比率に有意な変化はなかった。
中国ではこの10年間で脳卒中の種類の比率があきらかに変わった。高血圧治療で脳内出血やくも膜下出血、ラクナ梗塞の予防が期待できる。脳梗塞の原因を特定する能力は高くなった。脂質降下薬治療は有効だった、
というおはなし。
感想:
MRI普及のおかげでラクナ梗塞が量産されて、脳内出血とくも膜下出血の比率を押し下げているってことはないかな。