元
The performance of stroke survivors in turning-while-walking while carrying out a concurrent cognitive task compared with controls.
2017 12月 香港
歩行中の方向転換動作には視覚、前庭感覚、体性感覚を統合する高度な認知機能が要求される。
じっさい高齢の脳卒中患者の転倒のおおくは方向転換中におきる。
方向転換中の転倒はまっすぐ歩行時の転倒にくらべ大腿部骨折が7.9倍起きやすいという報告もある。
そこで脳卒中患者に認知課題を与えたときの歩行中の方向転換動作の変化を、健常者とくらべてみたそうな。
脳卒中経験者59人と健常者45人について
聴覚ストロープテストの反応時間と精度 および
歩行中の方向転換動作に要する時間とステップ数を測定し、
さらに両者を組み合わせたとき(二重課題)の結果も比較した。
次のようになった。
・脳卒中経験者は二重課題時に正答精度があきらかに低下したが、反応速度に変化はなかった。
・方向転換動作については単一課題時と二重課題時でほぼおなじだった。
・健常者とくらべ脳卒中経験者はいずれの課題でも反応時間が長く精度は低かった。
・おなじく脳卒中経験者の方向転換にかかる時間とステップ数は健常者よりも大きかったが、
・二重課題にしたときの変化割合(dual-task cost)は健常者とあきらかな差がなかった。
脳卒中経験者では方向転換動作を優先するために認知課題を犠牲にしているようにみえた、
というおはなし。
感想:
注意リソースの競合理論というのがあって、1)注意リソース自体の減少、2)注意リソース分配能力の低下、3)要求される注意リソース量の増加、
二重課題もんだいは これらの組み合わせで説明がつくらしいんだけど、
じぶんにあてはめると 注意リソースの総量は変わらないけれど 麻痺した手足を操るためにあらたにおおくの注意を要するため 結果として足らなくなる、
そういう印象がある。
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