元いっぱんに脳細胞は再生しないと考えられているが、脳には2箇所だけ神経細胞が生まれ続けている場所がある。
Specific Features of SVZ Neurogenesis After Cortical Ischemia: a Longitudinal Study.
2017 11月 スペイン
1つは海馬歯状回の顆粒細胞下帯で おもに記憶や学習に関係する。もう1つは側脳室の脳室下帯(SVZ)で、通常ここで生まれた神経細胞は脳の嗅球とよばれる位置へ移動する。
しかし脳が損傷を受けた場合にはSVZで生まれた神経芽細胞がそこへ移動して脳組織の再生に寄与すると考えられている。
こんかい、これらの過程がどのようなタイミングおきるのか動物で確かめてみたそうな。
人為的に脳梗塞にしたネズミを65日間フォローしたところ、
次のことがわかった。
・最初の24時間で脳室下帯での細胞増殖が低下した。
・その後回復して14日時点では明らかな増加に転じ、
・28日時点ではふたたび減少していた。
・24時間時点での減少時に神経芽細胞は嗅球へ移動していた。
・脳室下帯から脳の損傷部位へ移動する神経芽細胞は14日以降に増加していた。
・65日時点では皮質の梗塞周辺組織であらたな神経細胞の増加を確認できた。
脳梗塞後の脳室下帯での神経細胞の増殖と病変への移動のタイミングをあきらかにすることができた、
というおはなし。
感想:
人ならもうすこしゆっくりなんだろうね。
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
脳卒中で海馬の神経新生に異常
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について