元
Time perception impairment following thalamic stroke: A case study.
2017 11月 イギリス
脳卒中がきっかけで時間感覚に障害がおきた女性の報告。
JBは50歳の女性で2011年に脳卒中を患った。右の視床の正中線にちかい位置に梗塞ができた。
それ以来、彼女は今が季節的にいつごろで、今日の日付、現在の行動を何時間続けたのかなど わからなくなった。
そこで彼女の主観的時間感覚をしらべてみたそうな。
1) 時間のことなるリハビリセッションを3つ経験させて 経過した時間を当てさせる。(Retrospective timing)
2) ストップウォッチで5-60秒の時間測定を目の前で実演したのち、同じ時間をストップウォッチを見ずに再現させる。(Interval Reproduction)
3) 口頭で指定した秒数の経過を実演なしでいきなりストップウォッチで実行させる。(Interval Production)
実験中はカウント行動ができないよう、物語を音読させた。実行させる秒数、物語の内容は都度変更した。
これらの実験を健常者4人および同様の脳損傷患者4人でおこない、エラーの大きさを比較したところ、
次のようになった。
・彼女JBは 1)の時間推定と 2)の秒数再現のエラーが非常におおきかった。
・しかし 3)のエラーは比較グループと差がなかった。
これらことから彼女の基本的な時間機能は保たれており、前向記憶の障害が時間感覚に問題をもたらしていると考えられた、
というおはなし。
感想:
ふつうはただの認知障害でかたずけるところだけど 「視床」へのダメージが時間問題を引き起こすっていいたいようだ。