元
A Population-Based Cohort Study on the Ability of Acupuncture to Reduce Post-Stroke Depression.
2017 9月 台湾
脳卒中後のうつは長く患者に影響する合併症の1つである。投薬治療も試みられているが効果は小さい。
伝統中国医学の鍼治療は漢方薬もあわせると 台湾人の脳卒中患者の半数以上が選択する代替医療でもある。
鍼治療を受ける患者が脳卒中後のうつになりにくいという報告がいくつかあるので、これを検証してみたそうな。
2000-2005に脳卒中になった台湾人について、鍼治療経験とうつ発症の有無を2007までフォローしたところ、
次のことがわかった。
・トータル8487人の脳卒中患者のうち1036人は 発症後6回以上鍼治療を受け、1053人は1-5回、6398人は鍼治療をまったく受けなかった。
・年齢、性別、重症度、他の病気など関連要因を考慮に入れると、頻繁に鍼治療を受けていた(6回以上)グループではうつリスクが53%低く、それより少ない頻度では28%のリスク低下だった。
脳卒中後の鍼治療はうつのリスクを低下させるようだ、
というおはなし。
感想:
今回使用したデータベースにはどのツボを刺激したかについての情報がない。だから鍼でうつを治そうとした結果ではなく、目的によらず鍼治療をうけること自体のおまけ効果 といってもいい。
鍼治療のような根拠のよくわからないものを積極的に利用しようとする楽観的かつポジティブな気質が そもそもうつと縁遠いのではないか、、、と思う。