元
Phase I/II randomized controlled trial of autologous bone marrow-derived mesenchymal stem cell therapy for chronic stroke.
2017 8月 香港
脳卒中で脳が損傷すると脳室壁で新たに神経細胞が産生されて損傷部位に移動することが知られている。しかしその細胞の多くは数週間で死滅し、定着するものはわずかである。
いっぽう細胞治療では患者自身の骨髄から採取した幹細胞を用いる方法がもっとも期待されている。
今回、発症後1年経った脳卒中患者への細胞治療の安全性と有効性(フェーズⅠ,Ⅱ)についてランダム化比較試験をおこなってみたそうな。
平均年齢52 脳内出血から1年、重度の障害の残る患者9人について自身の骨髄幹細胞を採取 増殖させたのち、5人に静脈注射した。残りの4人にはアルブミンを注射した。
1年間フォローしたところ、
次のようになった。
・幹細胞注入時に有害事象はなく、1年間であらたな腫瘍の形成もなかった。
・神経の再生と臨床症状の3つの指標(BI,FIM,GOS)の改善度は幹細胞注射グループであきらかにすぐれていた。
脳卒中患者自身の骨髄幹細胞の静脈注射はあんぜんで、慢性期で重度障害患者の神経機能の改善を期待させる効果があった、
というおはなし。
感想:
技術的にむつかしいことのように思えないけど何年経っても安全性確認からまったく進歩しない。
華々しく報道されるバイオベンチャーの「画期的新薬」も よくみるとまったく同レベルだし、
なにか根っからの考え違いがあるんじゃないのかと疑いたくなる。