元
Fractional amplitude of low-frequency fluctuations (fALFF) in post-stroke depression.
2017 7月 オーストラリア
脳卒中後のうつは回復をさまたげ生活の質を低下させる。
これが由来する脳の部位や神経メカニズムについてはいまだよくわかっていない。
近年、安静時fMRIの解析により脳の中の自発的な結合性の変化を観測できるようになり、脳卒中後うつ患者でデフォルトモードネットワークの結合性低下が報告されている。
安静時fMRIの他の解析方法として低周波数成分の強度変動が全体に占める割合 fALFF(fractional amplitude of low frequency fluctuations)を評価する方法があるので、これで脳卒中後うつをしらべてみたそうな。
発症後3ヶ月の脳卒中患者64人について安静時fMRIを測定し、0.01-0.08HzについてfALFFを解析したところ、
次のことがわかった。
・20人がうつ症状を示していた。
・非うつ患者にくらべうつ患者では左の背外側前頭前皮質と右の中心前回でfALFFが有意に高く、
・左の島皮質でうつスコアとfALFFの明らかな相関が見られた。
・うつの有無が0.01-0.027 Hzに、うつの重症度が0.027-0.073 Hzに反映されていた。
安静時fMRIのfALFF解析により脳卒中後うつの自発的神経活動の異常な部位と周波数レンジを感度よく特定することができた、
というおはなし。
感想:
1周期が30秒前後ある脳の律動ってのはいったいなんなのかね?