元
Irreversible Total Loss of Brain Function and Organ Donation in Patients with Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017 6月 ドイツ
臓器移植は待機者が増えるいっぽうで 供給はまったく増えていない。
脳動脈瘤破裂のくも膜下出血患者は死亡率が非常に高いので 救急医療の現場では臓器提供者候補として期待されている。
そこで、どのくらいの患者が脳死になり 臓器提供の同意が得られているものか 実際にしらべてみたそうな。
2011-2016の脳動脈瘤性くも膜下出血患者395人の記録を解析したところ、
次のことがわかった。
・全体の18.0%が集中治療室で死亡した。
・死亡患者の42.3%には脳内出血、22.5%には動脈瘤の再出血、87.3%には脳室内出血があった。
・死亡患者の50.7%は脳死判定され、32.4%(23人)が臓器提供者になった。
・女性よりも男性のほうが明らかに臓器提供者になりやすかった。
・脳死からの臓器提供は60歳未満の患者でおおかった。
・23人から計85の臓器(腎臓42、肝臓21、膵臓3、心臓11、肺8)が摘出された。
脳動脈瘤破裂のくも膜下出血から脳死 そして臓器提供への流れはまったくめずらしいことではなかった、
というおはなし。
感想:
つまり亡くなる3人に1人(全体の6%)が臓器提供していることになる。
一人の重症患者を脳死判定するだけで 複数人の命を救えるのが臓器移植。
提供の意志をチラつかせたら どういう結果になるかは想像に難くない。
だから運転免許証の裏には臓器提供拒否に二重丸をつけてある。