元脳卒中で上肢が麻痺すると日常生活動作におおきな影響がでる。機能的電気刺激(FES)は 運動神経を刺激して関節周りの動きを強化する働きが期待できる。
Effectiveness of upper limb functional electrical stimulation after stroke for the improvement of activities of daily living and motor function: a systematic review and meta-analysis.
2017 2月 イギリス
下肢のFESはリハビリシーンで用いられるようになったが上肢のFESはその効果がはっきりしない。
そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。
関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・20の研究がみつかった。
・6つの研究でFESの日常生活動作上のあきらかな改善は確認できなかった。
・発症後2ヶ月以内の3つの研究で FESで日常生活動作に有意な改善がみとめられた。
・発症後1年以上の3つの研究では FESで日常生活動作に影響はなかった。
・いずれの研究もサンプル数が少なく 盲検化が不十分でエビデンスとしての質はひじょうに低かった。
上肢麻痺の脳卒中患者へのFESはしょうらい有望な治療法ではある。発症後2ヶ月以内での効果がわずかに認められたが、どれも研究の質が低いため結論にはまだ遠い、
というおはなし。
感想:
ようするに上肢FESを成功させるのは 足で食器を持つくらいにむつかしいことなんだろな。