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2016年10月31日

肥満の脳内出血患者 死亡率と機能回復度は


Obesity is associated with better survival and functional outcome after acute intracerebral hemorrhage.
2016  10月  中国

肥満は心血管疾患のリスク要因であるいっぽう 肥満だと心筋梗塞などでの死亡率が低くなるというパラドックスが報告されている。

脳内出血の場合にも肥満パラドックスがみられるものか 調べてみたそうな。


中国の37都市の脳内出血患者1571人ぶんの記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・1571人のうち低体重109人、標準体重657人、過体重341人、肥満464人だった。

・標準体重にくらべ肥満だと12ヶ月後の死亡率が明らかに低く、

・3,12ヶ月後の要介護リスクも低かった。

・低体重、過体重については有意な関連はなかった。

脳内出血でBMI25以上の肥満患者の死亡率は標準体重患者にくらべ低く、機能回復がすぐれていた、


というおはなし。
図:肥満と脳内出血の予後

感想:

上の表みると標準体重がいちばん酷い。標準はベストではないんだな。

2016年10月30日

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果


Folic Acid Therapy Reduces the First Stroke Risk Associated With Hypercholesterolemia Among Hypertensive Patients
2016  10月  中国

これまでに葉酸(ビタミンB9)が脳卒中予防によいとする報告がいくつかある。

コレステロール値が高い場合にその効果がどうなるのか調べてみたそうな。


高血圧で心血管疾患歴のない20702人を葉酸サプリメントの有無で2グループに分けた。
葉酸サプリメントは1日0.8mgで 4.5年間フォローした結果、


次のようになった。

・高コレステロール値(>200mg/l)で葉酸サプリメントを摂らなかった者の脳卒中発症率は高かった。

・葉酸サプリメントを摂ることでコレステロールの高い者の脳卒中リスクが0.69倍になった。

・コレステロール値が低い(<200mg/dl)場合、葉酸サプリメントの有無で脳卒中発症率は変わらなかった。

コレステロール値によって葉酸サプリメントの脳卒中予防効果は変わった。葉酸サプリメントはコレステロールの高い人の脳卒中リスクを31%下げた、


というおはなし。
図:コレステロールと葉酸サプリメントの脳卒中予防効果

感想:

葉酸サプリメントはガチだな、、↓
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!

高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明

2016年10月29日

脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは


Limb remote ischemic conditioning increases Notch signaling activity and promotes arteriogenesis in the ischemic rat brain.
2016  10月  中国

下肢遠隔虚血コンディショニング(LRIC)は下肢を壊死しない程度に圧迫/開放を繰り返す手法で、心臓や脳に対して虚血耐性をもたらすと考えられている。

脳卒中にたいしてどんな効果があるのか実験してみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミの両下肢に10分間の圧迫/開放を1日3回x14日間継続した。

運動機能および脳組織を調べたところ、


次のことがわかった。

・LRICグループでは局所脳血流が増加し、

・血管新生が進み 動脈径の拡大と血管平滑筋細胞の増殖が見られた。

・動脈新生の増加と運動機能の回復には明らかな関連があった。

・さらにLRICは梗塞周辺での神経 血管分化に関係するNotch1経路の活性化に関わっていた。

下肢遠隔虚血コンディショニングには脳の虚血からの回復過程でNotch1経路が関係する血管新生を促す効果がありそうである、


というおはなし。
図:下肢遠隔虚血の動脈新生効果

感想:

やってることは加圧トレーニングなんだよな、、

2016年10月28日

低周波パルス電磁場の脳梗塞治療効果


Neuroprotective Effect of Low Frequency-Pulsed Electromagnetic Fields in Ischemic Stroke.
2016  10月  韓国

低周波パルス電磁場(LF-PEMF)は細胞レベルでの生体作用が報告され、骨折や創傷の治療に応用されている。

脳卒中での神経保護効果を動物実験で確かめてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミをLF-PEMFの有無で2グループに分けた。

LF-PEMFは虚血30分後に開始し、1日6時間x14日間継続した。

その後、ロータロッドテストや神経栄養関連 細胞死関連タンパク質の発現を調べたところ、


次のことがわかった。

・LF-PEMFによりシナプス可塑性を促すシグナル経路が活性化され、

・生存促進タンパク質はあきらかに増加し、細胞死促進タンパク質は減少した。

・炎症仲介物質も減少した。

・ロータロッド上にいられる時間も延びた。

低周波パルス電磁場には虚血脳の神経保護効果があるのかもしれない、


というおはなし。
図:低周波パルス電磁場の脳梗塞治療効果

感想:

はやく人で実験してもらいたい。

これ↓思い出した。
脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは

2016年10月27日

脳卒中後の疲労には黄耆(おうぎ)を極めろ


Effects of the traditional Chinese herb Astragalus membranaceus in patients with poststroke fatigue: A double-blind, randomized, controlled preliminary study.
2016  10月  台湾

脳卒中後の疲労は患者の4-7割が経験するとされ 過労による疲れとは異なりいくら休息しても解消しない。

中国伝統医学では黄耆(おうぎ)は疲労にもっとも効く生薬といわれている。
その効果を実際にたしかめてみたそうな。


脳卒中後疲労の患者64名を2グループに分け黄耆もしくは偽薬を28日間与えた。
およそ1ヶ月後、3ヶ月後の疲労度を測定し比較したところ、


次のことがわかった。

・1ヶ月後、疲労度スコアは黄耆グループで17.83、偽薬グループで8.03ポイント低下、

・3ヶ月後には黄耆グループで16.48、偽薬グループで9.47ポイント低下した。

・同様にQoL関連スコアが3ヶ月後、黄耆グループで14.37、偽薬グループで6.25ポイント改善した。

生薬の黄耆は脳卒中後の疲労関連スコアを大きく改善できた、


というおはなし。
図:黄耆の脳卒中後疲労改善効果

感想:

黄耆って補陽還五湯↓にはいってるみたいだね。
脳卒中治療にもっともよく使われる漢方薬が明らかに

2016年10月26日

くも膜下出血 20年間 発症率と致命率の推移


Stable incidence but declining case-fatality rates of subarachnoid hemorrhage in a population
2016  10月  アメリカ

近年のくも膜下出血の診断 治療技術の進歩は著しい。

くも膜下出血の発症と予後の傾向を調べてみたそうな。


1988-2010のアメリカでの非外傷性くも膜下出血の発症率、致命率を調べたところ、


次のことがわかった。

・この間のくも膜下出血発症率は10万人あたり年間8.8→9.2→10.0→9.0→7.7人と推移しほぼ一定だった。

・5日間致命率は32%→18%、30日間は46%→25%、90日間は49%→29%へ減少した。

・明らかな脳動脈瘤破裂事例に限定してもこの傾向は見られたが 有意なほどではなかった。

くも膜下出血の発症率は過去20年間でほとんど変わっていなかったが、医療技術の進歩により5日間、 30日間、 90日間致命率は明らかに低下した、


というおはなし。

図:くも膜下出血の5日間の致死率推移

感想:

20年前って昨日のことのようだけど 酷かったんだなぁ、、、

2016年10月25日

tPA治療受けられるのにスルーされる患者の特徴


Why are acute ischemic stroke patients not receiving IV tPA? Results from a national registry.
2016  10月  アメリカ

急性脳梗塞ですぐに病院に到着できて特に禁忌事項にふれていなくても血栓溶解治療を受け損なっている患者が一定数いる。

その割合の推移と患者の特徴について調べてみたそうな。


2003-2011 の全米脳卒中患者登録システムから、急性脳梗塞の発症から2-3時間内に病院に到着できてtPA治療に適した条件の患者記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢73、6万人あまりの適応患者のうち25%が禁忌でもないのにtPA治療を受け損なった。

・この割合は2003-2011に55%→18%に推移した。

・これら患者の特徴として、高齢、女性、非白人、糖尿病、脳卒中歴、心房細動、人工弁、軽症、営業時間外、年始、田舎 などがあった。

急性脳梗塞ですぐに病院に到着できて血栓溶解治療に適した患者のうち25%がtPA治療を受け損ねていた。この治療は非常に効果があるにもかかわらず 高齢、軽症、女性、非白人への適用が見過ごされがちである、


というおはなし。
図:tPA治療を受けない脳卒中患者推移

感想:

重症度の判定には裁量の幅がけっこうあるはず。じつは軽症の患者をたくさんtPA治療できれば病院の実績は簡単にあがる。

見過ごされる率25%は良心のあるお医者さんが滅びていない証拠かもね。

2016年10月24日

帯状疱疹後の脳卒中リスク 短長期的影響


The Short- and Long-Term Risk of Stroke after Herpes Zoster: A Meta-Analysis.
2016  10月  中国

帯状疱疹のあとは脳卒中になりやすいことが多くの研究で明らかになっている。

短期的、長期的な影響をこれまでの研究からまとめてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・8つの研究が見つかった。

・帯状疱疹後 2週間内の脳卒中リスクは2.36倍、

・1ヶ月間では1.56倍、1年間では1.17倍、

・それ以降は1.09倍だった。

帯状疱疹のあと脳卒中リスクは上昇し、そのリスクは時とともに小さくなった、


というおはなし。
図:帯状疱疹のあとの脳卒中リスク

感想:

お腹の右や左にときどきできるんだよ帯状疱疹、、
自己免疫疾患で脳卒中リスクが50%アップ

帯状疱疹なったら脳卒中に注意しなさい

帯状疱疹のあとの脳卒中リスクはどのくらいヤバイのか

帯状疱疹と脳卒中との関連が明らかに

2016年10月23日

近所が貧乏人ばかりだと脳卒中になりやすい


Neighborhood socioeconomic index and stroke incidence in a national cohort of blacks and whites
2016  10月  アメリカ

近隣住人の社会経済的ステータスが脳卒中のなりやすさに影響するものかどうか調べてみたそうな。


脳卒中死亡率の高い州の住民について 収入、資産、教育歴、職種などから地域住人の社会経済的レベルを評価し、そのうち脳卒中歴のない45歳以上の白人、黒人 計24875人を7年半フォローしたところ、


次のことがわかった。

・最上位の25%にくらべ近隣住人の社会経済的ランクが1つ下がるごとに脳卒中のなりやすさが1.28倍→1.38倍→1.56倍と上昇していった。

・個人の社会経済状況と脳卒中リスク要因を考慮に入れてもこれら関連は有意なままだったが、人種や性別による差は消滅した。

近隣住人の社会経済的レベルが低いと脳卒中リスクは高くなった。この関連は人種や性別に依らなかった、


というおはなし。

図:


感想:

貧困度ハンパない途上国に引っ越したひとの脳卒中率をしらべてほしい。

2016年10月22日

頸動脈乖離で脳卒中 起きやすい季節


Seasonal Variation in Spontaneous Cervical Artery Dissection: Comparing between UK and Australian Sites.
2016  10月  オーストラリア

頸部動脈の乖離は若年脳梗塞のおもな原因のひとつである。おおくは突発的に起きるとかんがえられるが環境要因も指摘されている。

そこで季節で頸部動脈乖離が増減するものか調べてみたそうな。


オーストラリアとイギリスの頸部動脈乖離が原因の脳卒中患者242人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・北半球、南半球ともに頸部動脈乖離は秋冬に多く、夏よりも春に起きやすかった。

・椎骨動脈乖離よりも頸動脈乖離件数がわずかに多かった。

・血圧や脈圧との関連はなさそうだった。

頸部動脈乖離の脳卒中は地域によらず涼しい季節に起きやすかった、


というおはなし。

図:季節と頸動脈乖離件数

感想:

若いひとの血栓の由来を特定するのってかなりむつかしいハズ。

2016年10月21日

音の追加で上肢が改善 スパイクタイミング依存可塑性とは


Spike Timing-Dependent Plasticity in the Long-Latency Stretch Reflex Following Paired Stimulation from a Wearable Electronic Device
2016  10月  イギリス

上肢の運動伝達はおもに皮質脊髄路をとおる。 歩行や姿勢制御を司る網様体脊髄路も一部関わっている と考えられている。

脳卒中で損傷した皮質脊髄路の代わりに 網様体脊髄路のコネクションを強化できれば上肢麻痺のリハビリがはかどるかもしれないと考えた。

脳幹網様体の活性化には音刺激が有効であることから、クリック音と目標筋肉を収縮させる電気刺激を組み合わせて実験してみたそうな。


健常者の上腕二頭筋に電極を貼り、長潜時反射を観測した。

このとき電気刺激に先立つかまたは遅れてクリック音をイヤフォンから流し、反射強度との関連を調べた。

電気刺激装置は小さなウェアラブルタイプに設計し、身体に7時間装着して日常生活をさせたところ、


次のようになった。

・長潜時反射強度は 電気刺激→クリック音 の順番のとき49%アップし、

・クリック音→電気刺激の順だと31%低下して いわゆる "スパイクタイミング依存可塑性"を示すようになった。

ウェアラブル装置による音と電気刺激の組み合わせで脳幹網様体からの上肢運動経路の強化に成功した、


というおはなし。
図:Spike Timing-Dependent Plasticity

感想:

別のニュース記事だと あまりにも結果がよかったのでインドの病院で患者150人の臨床試験を開始して年末に成果がでる予定とある。

当初はTMSで動物実験してたんだけど、よくしらべると磁気刺激ではなくコイルの放電時に生じるバチンって音に反応していることがわかって 「よっしゃ 磁気は捨てて音刺激で行こう!」ってことになったという。↓
Reticular formation responses to magnetic brain stimulation of primary motor cortex

2016年10月20日

脳卒中で中枢性疼痛 感覚ふつうなのに、、、


Central Poststroke Pain Can Occur With Normal Sensation.
2016  10月 インド

脳卒中で中枢神経系にダメージを受けると知覚異常や痛みを感じることがある。これを中枢性疼痛という。
これまで視床と関係があると考えられてきたが 必ずしもそうでもなさそうである。

そこで中枢性疼痛の頻度、期間、部位、特徴を調べてみたそうな。


25-80歳 319人の脳卒中患者について調べたところ、


次のことがわかった。

・20.7%の患者で中枢性疼痛がおきた。

・中枢性疼痛患者の平均年齢は55、31.8%は女性、

・疼痛が始まる時期、期間はさまざまで、

・焼けるような痛みが56%、他に ヒリヒリ感、刺すような痛みなどがあった。

・疼痛の強さと脳のダメージ部位に関連はなかった。

・42.3%で脊髄視床路にもとずく感覚(温覚、痛覚、触覚)が正常だった。

・プレガバリン(商品名リリカ)が半数の患者に有効だった。

脳卒中患者の20.7%に中枢性疼痛が確認できた。中枢性疼痛に脊髄視床路の障害は必須ではなかった。脳の損傷位置も中枢性疼痛の重症度に関係しなかった、


というおはなし。
図:中枢性疼痛の脳卒中患者

感想:

ますます原因不明ってことなんだね。

最初のころは金属が痛かった。水に触れてもショックを感じた。

2016年10月19日

炭水化物と脳梗塞 脳出血との関連が明らかに


Dietary glycemic index, glycemic load, and refined carbohydrates are associated with risk of stroke: a prospective cohort study in urban Chinese women.
2016  10月  アメリカ

炭水化物の摂取と脳卒中との関連をアジア人について調べてみたそうな。


40-70歳の健康な中国人女性64328人について食事アンケートを行い、脳卒中の発生を10年間ほどフォローしたところ、


次のようになった。

・この間に2750件の脳梗塞、241件の脳出血、609人の脳卒中死亡があった。

・食品の血糖上昇度を示すグリセミック指数GIと脳卒中リスクには明らかな関連があった。

・GIに対し脳梗塞リスクは直線的に増加し、脳出血リスクはJカーブを描いた。

・これらの関連はおもに精製炭水化物(米や麺)の摂取によるものだった。

血糖のあがりやすい精製穀物を多く摂ると脳卒中リスクが上昇することがわかった、


というおはなし。
図:グリセミック指数と脳卒中死亡率横軸GI

感想:

軽い糖質制限をはじめてもうすぐ1年。食事のあとに眠くならないのが一番の効果かな。

2016年10月18日

脳卒中後のうつ不安とデフォルトモードネットワーク


Depression and anxiety symptoms are associated to disruption of default mode network in subacute ischemic stroke.
2016  10月  ブラジル

脳卒中後のうつや不安のメカニズムはよくわかっていない。

いっぽう安静時の脳活動でもあるデフォルトモードネットワーク(DMN)は感情プロセスに深く関わっているという。

そこで脳卒中後うつ不安患者のDMNとの関連を調べてみたそうな。


脳梗塞患者34人について、うつ、不安、認知機能の評価をおこなった。
安静時fMRIから各領域のDMN機能的接続性を評価し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・うつや不安の症状は 左下頭頂小葉と基底核についてのDMNの機能的接続性の高まりとつよい関連があった。

・特にうつ症状は左下頭頂小葉の機能的接続性と関連し、

・不安症状は小脳、脳幹、右中前頭回と関連があった。

脳卒中後のうつや不安は 脳の特定の損傷位置が原因というよりはネットワークの機能不全によるものかもしれない、


というおはなし。

図:デフォルトモードネットワークとうつ不安

感想:

DMNのリズムってものすごいゆっくりなんだよね、、
脳卒中患者のデフォルト・モード・ネットワークは…

2016年10月17日

脳卒中啓発活動はネット検索に反映されるか?


Disease Monitoring and Health Campaign Evaluation Using Google Search Activities for HIV and AIDS, Stroke, Colorectal Cancer, and Marijuana Use in Canada: A Retrospective Observational Study.
2016  10月  カナダ

ヘルスキャンペーンの成果は 情報疫学的にはウェッブ上の検索動向に反映されうると考えることができる。

実際のところを Google Trendsを用いて 脳卒中、大腸がん、HIV、大麻使用 について調べてみたそうな。


2004-2015のヘルスキャンペーンと各疾患患者数、検索ボリューム動向の関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・各疾患の患者数と検索ボリュームの動向には明らかな関連があった。

・ヘルスキャンペーンとその前後の検索動向については 大腸がんと大麻使用でその関連が確認できた。

・脳卒中とHIVのキャンペーンは検索動向に反映されなかった。

インターネット上の検索動向からヘルスキャンペーンの成果を非常にかんたんに評価することができた、


というおはなし。
図:Google Trendsと脳卒中


感想:

脳卒中もHIVもまさか自分がなるとは思ってないからな。

いっぽう花粉症なら、、


2016年10月16日

スリングエクササイズの脳卒中リハビリ効果が明らかに


Effect of Sling Exercise Training on Balance in Patients with Stroke: A Meta-Analysis.
2016  10月  中国

スリングエクササイズトレーニング(Sling Exercise Training:SET)では天井からのロープに身体の一部をぶら下げることで バランス感覚をやしない体幹を鍛える効果が期待されている。

脳卒中患者での効果についてこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する過去の研究のうちランダム化比較試験のみを選びデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者460人を含む9件の研究が見つかった。

・通常のリハビリにSETを組み合わせたものは、従来型リハビリのみよりもバランス能力、日常生活自立度、片麻痺の回復度 いずれも改善していた。

通常のリハビリにスリングエクササイズを組み合わせると 脳卒中患者への訓練効果がバランス機能の点で明らかに向上した。より確かなものとするために さらに規模のおおきな研究が必要だろう、


というおはなし。
図:スリングエクササイズ

感想:

患者をひとりにしては危険だ。ロープを首にかける誘惑に抗えなくなる。

2016年10月15日

交通騒音で頸動脈壁が厚くなるは本当か


Associations of night-time road traffic noise with carotid intima-media thickness and blood pressure: The Whitehall II and SABRE study cohorts.
2016  10月  イギリス

交通騒音と脳卒中は関連があるといわれている。そこで、脳卒中のリスク要因でもある頸動脈壁の厚さと交通騒音との関連を調べてみたそうな。


ロンドンの住人を調査した先行する2つの研究から 頸動脈内膜中膜厚と血圧のわかる2592人のデータを抽出した。
交通騒音データは住民の郵便番号レベルで取得し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・夜間の平均交通騒音は52dBAだった。

・大気汚染レベルや地域の貧困度などを考慮にいれても、夜間交通騒音が10dBA高くなるごとに頸動脈内膜中膜が9.1μm厚くなった。

・夜間交通騒音55bBA未満の住人に比べ55-60dBAでは16.2μm厚く、60dBAより高いと21.2μm厚かった。

・これらの関連は抗高血圧薬を使っていない者でのみ見られた。

・血圧との関連は確認できなかった。

大気汚染等を考慮に入れても 夜間交通騒音と頸動脈内膜中膜厚との関連が抗高血圧薬の非使用者で確認できた、


というおはなし。
図:頸動脈内膜中膜厚と夜間交通騒音

感想:

これ↓思い出した。
道路交通騒音と大気汚染 脳卒中的にどっちが深刻なのか

空港の近所に住んでいると脳卒中になりやすい

2016年10月14日

脳卒中経験者の間接喫煙死亡率は2倍


Association of Secondhand Smoke With Stroke Outcomes.
2016  10月  アメリカ

喫煙は脳卒中のリスク要因の1つである。しかし間接喫煙についてはよくわかっていない。

そこで、脳卒中経験の有無と間接喫煙、死亡率との関連を調べてみたそうな。


米国全国健康・栄養調査から1988-2012の記録のうち、非喫煙者27836人を抽出した。

家庭での間接喫煙の有無は申告により、その暴露程度はニコチン代謝産物であるコチニンの血清濃度で分類し関連を解析した。


次のことがわかった。

・この期間に 間接喫煙に曝されている人は脳卒中経験者で11.5%→6.6%、非脳卒中経験者で14.6%→5.9%に減少した。

・間接喫煙に曝されやすい人の特徴は 男性、黒人、低教育歴、貧困、大酒飲み、心筋梗塞歴だった。

・また間接喫煙に高度に曝されているグループでは脳卒中歴の率が1.46倍 高かった。

・脳卒中歴のあるグループでは間接喫煙への暴露と総死亡率に用量関係が確認できた。

脳卒中歴のある者は間接喫煙に曝される割合が50%高く、彼らの死亡率は2倍だった、


というおはなし。
図:間接喫煙と脳卒中歴&総死亡率

感想:

因果関係がよくわからない。他人のたばこの煙にやたら敏感な人たちがいて、かれらは脳卒中になり やがて早死するってことなのかな、、

2016年10月13日

くも膜下出血の頭痛の強さ 傾向と対策


The Longitudinal Course of Pain and Analgesic Therapy Following Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage: A Cohort Study.
2016  10月  アメリカ

くも膜下出血では雷鳴頭痛と表現されるほどに激しい頭痛を経験することが多い。

この痛みの強さ、期間、位置、対処法について調べてみたそうな。


脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者564人のうち、意識のある患者を選別して痛みのレベルを10段階で日々報告してもらったところ、


次のことがわかった。

・46人が対象となり平均入院期間は15日間だった。

・日々の平均痛みレベルは3.8、最大痛みの日々の平均は5.8だった。

・89%は7-10レベルの痛みを経験し、

・63%は入院中どこかの時点でレベル10(最大)の痛みを経験していた。

・痛みの日々の平均値は1日あたり0.06ポイント減少したが、

・最大痛みの平均が低下傾向にあるとは言えなかった。

・痛む部位は76%が頭で、背中、首、上下肢、目と続いた。

・全患者が鎮痛薬を処方され徐々に量が増えていった。

・モルヒネ様麻酔薬を使用する患者もいた。

くも膜下出血で入院した患者は鎮痛薬の使用にもかかわらず長く続く頭痛に悩まされていた、


というおはなし。
図:くも膜下出血の頭痛強度

感想:

延々と続いてるけど 慣れるしかないのか?

2016年10月12日

iPSを超えた 脳卒中に適した新たな細胞治療とは


Novel therapeutic transplantation of induced neural stem cells for stroke.
2016  10月  日本

iPS細胞を使って脳卒中治療するばあい 体細胞を多能性をもつ幹細胞に変化させたのち神経幹細胞に分化させるステップをとる。

いっぽう、誘導神経幹細胞(iNSC)では体細胞から直接に神経幹細胞を誘導することができる。誘導分化のステップが短くなるぶんタイムウィンドウの限られた脳卒中治療に向いている。また腫瘍形成のリスクがiPS細胞よりも小さいとかんがえられている。

その脳卒中治療効果を確かめるべく実験してみたそうな。

2016年10月11日

下肢ウェアラブルロボットのリハビリ効果


The Effectiveness of Lower-Limb Wearable Technology for Improving Activity and Participation in Adult Stroke Survivors: A Systematic Review.
2016  10月  イギリス

脳卒中患者にとって歩行できるようになることは一番の関心事である。

外骨格タイプのウェアラブルロボットによる下肢リハビリ支援の研究は数多くなされているもののその効果はよくわかっていない。

これまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する過去の研究からランダム化比較試験のみを厳選して内容をよく調べたところ、


次のことがわかった。

・940の関係論文から11件の研究に絞り込んだ。

・研究ごとに 脳卒中の種類や重症度はさまざまで、

・被験者数も12人~151人、平均49人と少なく、

・手順の複雑さ、解析方法の統一性のなさが目立った。

ウェアラブルロボットをつかった下肢リハビリ支援が有効であるとするエビデンスはほとんど見つからなかった、


というおはなし。
図:ウェアラブルスーツの脳卒中リハビリ効果

感想:

脳卒中患者が歩くのに苦労している理由は脚に力が入らないからではない。足の感覚が麻痺していて 重心がどこにあるのかわからない恐怖がために杖が手放せない。

だからパワーアシストロボよりもシルバーカー↓のほうが役に立つ気がしてならない。
最新ロボット i-Walkerが脳卒中の歩行をアシスト

2016年10月10日

脳卒中後の疲労になる割合


The prevalence of fatigue after stroke: A systematic review and meta-analysis.
2016  10月  オーストラリア

脳卒中後の疲労がどのくらいの患者でおきるのか、これまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・921の研究から49件を選んだ。

・疲労の有病率は50%だった。

・うつや測定時期の影響は大きくなさそうだった。

・アジア人を対象とした研究では35%程度と低かった。

脳卒中経験者の疲労は多くに共通した問題だったが アジア人ではその割合が低かった、


というおはなし。

図:脳卒中後の疲労の有病率


感想:

なるほど 疲労は一生ついてまわるのかも、、、

2016年10月9日

玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?


Meta-analysis of Egg Consumption and Risk of Coronary Heart Disease and Stroke.
2016  10月  アメリカ

つい最近までコレステロールの大量摂取は心臓病の原因の1つと考えられてきた。
しかし2015年に米国民への食事指針からコレステロールの上限値が撤廃された。

そこであらためて コレステロールを多く含む玉子の摂取量と脳卒中など心血管疾患との関連を調べてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・50万人以上の被験者を含む7つの研究がみつかった。

・玉子をめったに食べない人にくらべ毎日1個摂る場合、脳卒中リスクは12%低下した。

・冠動脈疾患との有意な関連は確認できなかった。

・玉子摂取量と心血管疾患リスクとの用量関係はみられなかった。

玉子を食べると脳卒中リスクは低下したが冠動脈疾患には関連しなかった、


というおはなし。


感想:

テレビの医者が言うことを真に受けて「コレステロール低いからオレは健康だ!」 とおもってたら脳が血を吹いたよ。
食事性コレステロール摂取量、政府指針案から上限値撤廃 米国

2016年10月8日

ところで 言語聴覚療法はやる意味あるの?


Speech and Language Therapy for Aphasia After Stroke
2016  10月  イギリス  

言語聴覚療法(SLT)は言語コミュニケーション能力の改善を目的とし 多くの手法や考え方がある。

そこで 脳卒中失語症患者へのSLTの効果について検証してみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・SLTなしと比較した27の研究(n=1620)、および手法を比較した38の研究(n=1242)がみつかった。

・会話理解、発話、読解、筆記のすべてでSLTは有益で、

・あまり重症でない患者にはSLTの集中訓練が明らかに効果的だった。

脳卒中失語患者への言語聴覚療法は言語コミュニケーション能力の改善に有益で、特に集中訓練が効果的だった、


というおはなし。

図:失語症への言語聴覚療法の効果

感想:

てっきり言語聴覚療法にはエビデンスが充分にあって、この種の検証はいまさら必要ないと思ってた。

これ↓思い出した。
ランセット誌:慢性の失語症でも3週間の集中訓練で治る

失語症訓練は一気にやったほうが効果的... ?

2016年10月7日

くも膜下出血とお酒の関係


Alcohol consumption and risk of subarachnoid hemorrhage: A meta-analysis of 14 observational studies.
2016  10月  中国

アルコールとくも膜下出血との関連について調べてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・患者2556人を含む14件の研究が見つかった。

・一滴も飲まない者に比べ アルコール1日15g未満ではくも膜下出血リスク1.27倍、15-30gでは1.33倍だった。

・1日に30g(ビール600cc相当)を超えるとくも膜下出血リスクは明らかに高くなり1.78倍だった。

・アルコール摂取量とリスクは直線関係で、

・1日に10g増えるにしたがい くも膜下出血リスクは12.1%上昇した。

アルコールの大量摂取はくも膜下出血リスクの上昇と明らかに関連していた、


というおはなし。

図:アルコールとくも膜下出血

感想:

あれ以来、酒はびた一文のんでない。

2016年10月6日

短下肢装具は使ったほうがいいの?


Role of ankle foot orthosis in improving locomotion and functional recovery in patients with stroke: A prospective rehabilitation study.
2016  10月  インド

脳卒中で尖足や内反足になった患者に短下肢装具が処方されることがある。

その効果を調べてみたそうな。


平均年齢42、発症6ヶ月-1年未満で痙性尖足で短下肢装具を処方された男女26人について、入院時 退院時の歩行パラメータ 機能的自立度を比較したところ、


次のようになった。

・平均入院期間は27日、

・入院時の歩行可能距離は90mで、退院時は装具あり174m、装具なし121mだった。

・歩行スピードは入院時0.4m/s、退院時は装具あり0.51m/s、装具なし0.45m/sだった。

・34.6%(9人)の患者が退院までに臨床学的有意な最小限の 歩行パラメータの改善(スピード0.16m/s増し、距離50m増し)を示した。

・この間に機能的自立度FIMの平均スコアは84→102に改善したが、完全自立レベルであるスコア115以上は15%(4人)のみだった。

短下肢装具により歩行パラメータに有意な改善を示した患者は全体の3分の1に過ぎなかった、


というおはなし。

図:短下肢装具

感想:

厳密に測定すればわかるけど目に見えるような効果はないってことか。しかも背屈筋をまったく使わなくなるので 長期的には回復が著しく遅れる。

為す術のない人がしかたなく使うもので、安易に手をださないほうがいい と考える。

2016年10月5日

重度感覚麻痺がイメージ能力に及ぼす影響とは


Mental chronometry and mental rotation abilities in stroke patients with different degrees of sensory deficit.
2016  9月  ドイツ

脳卒中のリハビリでもっとも有効とされる方法の1つにイメージ訓練がある。

イメージ訓練には動作を3次元的にシミュレートする能力と、各動作の時間を正確に構築する能力(メンタルクロノメトリー)が要求される。

これら能力は深部感覚麻痺の患者で低下しているとの報告がある。

そこで、脳卒中で体性感覚(触覚、温度感覚、深部感覚など)障害の患者でのイメージ能力を調べてみたそうな。


発症6ヶ月未満の脳卒中患者70人について、体性感覚の障害度別に3グループに分けた。(グループ1は障害ゼロ、グループ3は重度)

これに健常者23人を加え、ボックス&ブロックテストでの実際の動作およびイメージ上の動作に要した時間を 麻痺手 非麻痺手で計測した。

メンタルクロノメトリー能力=(実動作時間-イメージ動作時間)/(実動作時間)
と定義した。

またメンタルローテーション課題も行い正確さを評価した。


次のことがわかった。

・麻痺手のメンタルクロノメトリー能力は、グループ3で明らかに低下していた。

・非麻痺手ではすべてのグループでメンタルクロノメトリー能力は同等だった。

・メンタルローテーション能力はすべてのグループで同等だった。

重度の体性感覚障害の脳卒中患者ではメンタルクロノメトリー能力が明らかに低下したが、メンタルローテーション能力には影響はなかった、


というおはなし。
図:体性感覚障害とメンタルクロノメトリー

感想:

ようするに重度に感覚麻痺してるとイメージに要する時間がゼロに近づき瞬間的に動作が成立してしまうってこと。

思い出す... さいしょの数週間は左腕の感覚が「完全にゼロ」だった。そのころは幻肢がよくでた。
見舞客を見送る際にいつの間にかひだり腕を振っている。反動で胴が揺れる感覚まで再現されていた。
手を開こうとするとイメージの指だけが開いた。

2016年10月4日

脳卒中患者が好む屋内の履物ナンバーワンは


A survey exploring self-reported indoor and outdoor footwear habits, foot problems and fall status in people with stroke and Parkinson's.
2016  9月  イギリス

脳卒中患者は転倒しやすく その多くは屋内で起きる。

そこで屋内外での履物の種類と転倒頻度について調べてみたそうな。


脳卒中もしくはパーキンソン病患者の計1000人にアンケートを送ったところ、


次のようになった。

・脳卒中145人、パーキンソン病218人から回答があった。

・回答者のほとんどは屋内ではスリッパを 屋外ではウォーキングシューズを履いていた。

・その選択基準として快適性とフィット感をもっとも重視していた。

・全回答者の50%に転倒経験があり、

・その多くが足に何らかの障害があったが特別なサポートは受けていなかった。

脳卒中やパーキンソン病患者のほとんどが屋内ではスリッパを履いていた。彼らの多くは足に問題を抱えており転倒も経験していた、


というおはなし。
図:屋内履物 脳卒中患者

感想:

スリッパは難度が高い。触覚が鈍くなっているのでズレて脱げそうになっていてもまったく気が付かない。

信頼のおける情報筋によると、スリッパは明治の日本が発祥だった。
土足で座敷に上がり込む外国人への対策として徳野利三朗なる人物が考案し、昭和30年頃に急速に世界に普及したとのこと。

2016年10月3日

フライドポテトは脳卒中のもとなのか?


Potato consumption and risk of cardiovascular disease: 2 prospective cohort studies.
2016  9月  スウェーデン

ジャガイモはカリウムを多く含み 血糖値も上げやすい食品であるが、心血管疾患との関連はよくわかっていない。

そこでジャガイモの摂取量(ゆでじゃが、フライドポテト、フレンチフライ)と脳卒中など心血管疾患との関連を調べてみたそうな。


ジャガイモ消費情報を含む健常な男女69313人についての 心血管疾患の発生を13年間フォローした記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に10147件の心血管疾患(心筋梗塞、心不全、脳卒中)があり、4003人が死に至った。

・ジャガイモ摂取と心血管疾患リスク、心血管疾患死亡率は男女ともに関連がなかった。

・ジャガイモ摂取量の増加に伴う心血管疾患リスクの傾向も確認できなかった。

ジャガイモを摂る量と脳卒中など心血管疾患リスクは関連していなかった、


というおはなし。
図:フライドポテトと心血管疾患リスク

感想:

揚げジャガイモ大好きなので安心した。

フライドポテトは和製英語でただしくはフレンチフライと思ってたけど、このなかで Fried potatoes と French fries を別ものとして扱ってる。

どうやら French fries があのフライドポテトで、Fried potatoes はフライパンでバター焼きにしたものを指すようだ。

2016年10月2日

若年脳卒中経験者の白質繊維はユルユルになる?


Remote Lower White Matter Integrity Increases the Risk of Long-Term Cognitive Impairment After Ischemic Stroke in Young Adults
2016  9月  イギリス

脳卒中後の認知障害は若年患者に多い。これは損傷ボリュームや位置との関連ではじゅうぶんに説明がつかない。
最近、これら患者で梗塞から離れた位置の白質の整合性が低下しているという報告がある。

そこで若年脳卒中経験者の白質と認知機能との長期的関連について調べてみたそうな。


18-50歳の脳梗塞経験者117人について、発症から約11年後に拡散テンソルMRIを撮り、認知機能テストとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・認知パフォーマンスの悪い脳卒中経験者では、梗塞から離れた位置での白質のまとまり具合が明らかに低下していた。

・認知障害のない71人とくらべ認知障害のある25人では白質のまとまり具合の低下が対側の脳半球にまで及んでいた。

脳卒中の症状は一時的であっても、離れた白質の整合性低下は長期に及び 認知障害をまねいていると考えられた 、


というおはなし。

図:脳梗塞患者の白質繊維の異方性


感想:

これ Nature Reviews Neurologyで取り上げられてた。
にわかには信じられないけど、脳の可塑的変化の過程だと言ってる。

2016年10月1日

周産期脳卒中やった子供はADHDが徐々に進む


Attention and executive functioning profiles in children following perinatal arterial ischemic stroke.
2016  9月  アメリカ

周産期(妊娠22週から出生後7日未満)の脳卒中を経験した子供の多くは運動、言語、認知機能に後遺症を抱えるという。

彼らの注意 遂行能力について詳しく調べてみたそうな。


周産期動脈性脳梗塞を経験した3-16歳の子供40人について注意 遂行能力を調べ、両親への聞き取り調査も行ったところ、


次のことがわかった。

・周産期脳卒中を経験した子供の注意 遂行能力は、作業記憶を除いて 健常な場合よりも明らかに低下していた。

・しかし作業記憶も年齢が進むにつれ低下していった。

・テスト時に年長者ほど注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状が目立つようになっていた。

・性別はこれらパフォーマンスに関連がなかった。

医療者、家族、教育者は周産期脳卒中を経験した子供の後遺症について理解しておくべきだろう、


というおはなし。
図:脳卒中の子供とADHD


感想:

これ↓思い出した。
小児の脳卒中 最悪の発症時期は、、

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