元
The provision of a cane provides greater benefit to community-dwelling people after stroke with a baseline walking speed between 0.4 and 0.8 metres/second: an experimental study.
2015 10月 オーストラリア
慢性期脳卒中経験者に杖を与えてその影響を調べてみたそうな。
発症後6年前後で自立歩行が可能な脳卒中経験者24人について、歩行スピード別に
低速度グループ(0.4m/s未満)、
中速度グループ(0.4-0.8ms/s)、
高速度グループ(0.8m/sより大)に分けた。
さらに 杖を持たせた時の歩行スピード、歩幅、歩調(ステップ数/分)も測定したところ、
次のことがわかった。
・全体として、杖を使わせても歩幅がやや広くなるほかは、歩行スピード、歩調に大きな違いはでなかった。
・中速度グループでは杖使用によってスピードが0.18m/s速くなり、歩幅が0.07m広くなった。歩調は変わらなかった。
・杖使用前後で 中速度グループは、スピード変化量が高速度グループよりもさらに0.27m/s速く、低速度グループよりもさらに0.12m/s速くなった。
慢性期脳卒中経験者への杖の提供は、中速度の歩行能力者にとってはメリットが大きかった。しかし高速度の歩行ができる者にとってはむしろ害になった、
というおはなし。
感想:
杖を使っても遅いひとは遅いまま、速いひとは遅くなる。
「転ばぬ先の杖」は はやく歩くためのものではないってこと。