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2016年5月31日

ラマダンの断食は脳卒中的にどうなのか?


Ramadan fasting is not usually associated with the risk of cardiovascular events: A systematic review and meta-analysis.
2016  5月  カナダ

世界十数億人のイスラム教徒がラマダンの月に断食をする。この間、食事と睡眠が大きく変化する。これらは心血管疾患のリスクになり得る。

ラマダンと脳卒中など心血管疾患との関連についてのこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選しデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・15の研究がみつかった。

・ラマダンの断食と脳卒中や心筋梗塞、心不全との関連はなかった。

・脳梗塞、脳出血に分けても関連は確認できなかった。

ラマダンの断食と脳卒中など心血管疾患の発生とは関連がなかった、


というおはなし。

写真:ラマダン断食


感想:

今年のラマダンは来週の6月6日から とテレビで言ってたので関心を持った。

2016年5月30日

全粒穀物を摂ると脳卒中死亡率は下がるのだろうか


Whole-grain intake and total, cardiovascular, and cancer mortality: a systematic review and meta-analysis of prospective studies.
2016  5月  中国

全粒穀物の摂取と脳卒中など心血管疾患での死亡率との関連を調べてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・26353件の死亡事例を含む12件の研究がみつかった。

・1日あたりの全粒穀物が50g増えると心血管疾患死亡率が0.7倍になった。

・この死亡率との関連は虚血性心疾患にのみ明らかで、脳卒中では確認できなかった。

全粒穀物の摂取量が増えると脳卒中を除く心血管疾患の死亡率が下がった、


というおはなし。

図:全粒穀物と心血管疾患死亡リスク

感想:

でも脳卒中予防にはなるんだよね。↓
玄米食が脳卒中予防になるという根拠について

2016年5月29日

最新ロボット i-Walkerが脳卒中の歩行をアシスト


Overground walking training with the i-Walker, a robotic servo-assistive device, enhances balance in patients with subacute stroke: a randomized controlled trial.
2016  5月  イタリア

脳卒中患者の路上歩行をアシストするロボット装置 i-Walker の効果を検証してみたそうな。


脳卒中患者44人について i-Walkerグループと通常歩行グループに分けて4週間の訓練効果を比較した。

i-Walkerは患者が前に進もうとしたときにのみ 車輪に内臓されたサーボモータがその動きを補うロボティック装置で、スペインのカタルーニャ工科大学が開発した医療機器である。


次のことがわかった。

・i-Walkerグループでは バランス能力、歩行スピード、持久力が向上し、

・さらに 歩行が安定し、転倒可能性が低下した。

ロボティック技術を応用した歩行補助装置 i-Walkerを使った訓練により 脳卒中患者の歩行安定性が向上し転倒が減少した、


というおはなし。


感想:

どんなにすごい装置かと思って論文を開いたらほとんどシルバーカーそのものだった。

でもよく考えると巷にあふれるロボットスーツのどれよりも こちらの方がはるかに実用性高いと思う。
写真:i-Walkeri-Walker

2016年5月28日

脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに


Dairy Consumption and Risk of Stroke: A Systematic Review and Updated Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies.
2016  5月  オランダ

牛乳やチーズなど乳製品の摂取量と脳卒中リスクとの関連を調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・762414人を対象にした29943件の脳卒中事例を含む18の研究が見つかった。

・全体的に 1日に200g牛乳摂取量が増えるごとに脳卒中リスクが7%低下した。

・この関連は東アジア人であきらかだった。

・チーズの摂取も脳卒中リスクの低下に関連があった。

・ヨーグルトやバターと脳卒中リスクとの関連はなかった。

・1日に牛乳125gとチーズ25gがリスク低下にもっとも効果的な組み合わせだった。

乳製品のうち牛乳とチーズは摂るほど脳卒中リスクが低下した、


というおはなし。

図:ミルクと脳卒中リスク

感想:

ヨーグルト効果なしはショックだわ。

2016年5月27日

運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、


Conditional Granger Causality Analysis of Effective Connectivity during Motor Imagery and Motor Execution in Stroke Patients.
2016  5月  中国

運動イメージ訓練は脳卒中リハビリ法のなかでも最も効果的な方法の1つとされている。しかしそのメカニズムはいまだよくわかっていない。

そこで運動イメージ中の脳卒中患者の皮質ネットワークの結合がどの方向に変化しているのか調べてみたそうな。


左脳損傷で右手麻痺の患者10人と健常者10人について、
右手の指を実際に動かしている時とイメージのみの場合での60秒間のfMRIデータを撮り、

一次運動野(M1)、前運動皮質(PMC)、補足運動野(SMA)間の結合性変化を解析したところ、


次のことがわかった。

・実際に指を動かしている時、患者は健常者にくらべ損傷脳のM1,PMC,SMAの相互の結合が明らかに低下していたものの、

・非損傷側のPMCとM1の相互の結合は強まっていた。

・運動イメージ中は患者の方が各皮質間のネットワークの結合が強く、

・特に非損傷側の皮質間相互の結合が顕著だった。

実運動では損傷脳での結合性は患者で低下していたが、それを補うように非損傷脳でのネットワークが強化されていた。運動イメージは損傷脳の影響を受けにくく各皮質間ネットワークを強化しているように見えた


というおはなし。

図:運動イメージ時の皮質結合性変化


感想:

イメージトレーニングは気のせいじゃないんだな。

2016年5月26日

[動画] TIA(一過性脳虚血発作)を自在に再現できる男性


Inducible limb-shaking transitory ischemic attacks: a video-documented case report and review of the literature.
2016  5月  デンマーク

意のままにTIAを起こし自分の手を震えさせることのできる患者を発見しビデオに収めたたそうな。


・運動をすると右手が震える症状の男性が病院にきた。

・検査の結果、左の頸動脈に狭窄がみつかった。

・投薬で治療を試みたが治らなかったので、頸動脈を頭蓋の外から中へバイパスする手術を行った。

・症状は収まったが2年後に患者が戻ってきてTIAの再現方法を教えてくれた。

・手術跡を押すことでバイパス血管が圧迫され左脳が虚血になり右手が震えだすと考えられた。
(以下のビデオを参照)

・脳波を調べたところ、てんかん発作の類ではなかった。

この様子のビデオはTIAによる手の震え症状例として参考になるだろう、


というおはなし。

問題のビデオ(58秒)↓

再生できないときはこちらのリンクから


感想:

こわくて横向いて寝れないな、、

2016年5月25日

自動車運転の再開 医師の判定は信用できるのか


Fitness-to-drive agreements after stroke: medical versus practical recommendations.
2016  5月  ベルギー

脳卒中の経験者が再び自動車運転に適しているかどうかの医師の判断が 路上テストの結果とどの程度一致しているものか調べてみたそうな。


ベルギーの交通安全センターを訪れて45分20kmの路上運転テストを行った脳卒中経験者735人について、
同乗した審査者による判定結果(合格、保留、不適格)と事前の医師の判定結果との整合性を評価したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者の73%については医師と路上審査者との結果が一致していた。

・路上で不適格と判定された83人のうち61%にあたる51人を、医師は合格としていた。

・路上で保留と判定された80人のうち78%にあたる62人を、医師は合格としていた。

医師の判定は路上テストの結果と概ね一致していたものの、運転にリスクのある脳卒中経験者を見つけ出す能力は充分とは言えなかった、


というおはなし。

図:脳卒中経験者の運転適格テストの結果


感想:

オレも事前に路上テストやってたら運転諦めてたかもしれないな、、、

2016年5月24日

脳卒中リスク計算機 日本人向け


Development of a Risk Equation for the Incidence of Coronary Artery Disease and Ischemic Stroke for Middle-Aged Japanese - Japan Public Health Center-Based Prospective Study.

健診成績に基づく心筋梗塞および脳梗塞の発症確率予測モデル開発
2016  5月  日本

日本人むけの脳卒中リスク計算機を作ってみたそうな。


15672人の中年(40-69歳)日本人を約16年間フォローして、192の心筋梗塞と552の脳梗塞の事例を得た。

健康診断で得られる検査項目との関連を解析し、今後10年間の脳卒中リスクを自動算出するプログラムを作成、公開した、


というおはなし。

図:脳卒中リスク計算機
あなたのリスクはどのくらい??以下のサイトで計算できます。
http://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html



感想:

これ↓思い出した。
脳梗塞再発リスク計算機(RRE)を使ってみた

2016年5月23日

片麻痺に適したスマートフォンのスクリーンサイズは


Effects of screen size on smartphone functionality and usability for stroke patients with hemiparalysis.
2016  4月  韓国

脳卒中で片麻痺の患者にとって使いやすいスマートフォンの画面サイズを 利き手との関係も含め調べてみたそうな。


発症前に右利きだった脳卒中患者13人の麻痺手について、

*右脳損傷の5人→元非利き手グループ
*左脳損傷の8人→元利き手グループ

として分けて、スクリーンのインチサイズがそれぞれ4.2, 4.5, 5.6のスマートフォンでの機能性、操作性を測定する実験を行った。

機能性はスマートフォンをキーパッドに見立て 指定の数列入力スピード、エラーを評価した。
操作性はスマートフォン画面上の指定した経路をドラッグする操作を行い違和感の程度を述べさせた。


次のようになった。

・スクリーンサイズごとの操作性は元非利き手グループでは差が無かったが、元利き手グループでは明らかな差が生じた。

・操作性に違和感を感じる箇所数のグループ間の差は スクリーンサイズが小さいほど多かった。

・入力スピードは元非利き手グループではスクリーンサイズに依らなかったが、元利き手グループでは差が生じた。

・グループ間の入力スピードの差は全てのスクリーンサイズで確認できた。

・グループ間でエラー頻度の差がもっとも小さかったスクリーンサイズは5.6インチ型だった。

スマートフォンの画面サイズごとの機能性、操作性を脳卒中片麻痺患者で調べた結果、大きい画面サイズだと操作への違和感およびエラー頻度が利き手の影響を受けにくかった、


というおはなし。

図:スマートフォン操作性テスト

感想:

たしかに大きい方が使いやすいので4→5インチに買い換えた。

けど 左手は触覚が鈍すぎてスクリーンに軽く触れたつもりが長押し判定になったり、電子書籍のページめくりすら頻繁にミスする。

2016年5月22日

若年脳梗塞 原因別再発ランキング発表


Cardiovascular events after ischemic stroke in young adults: A prospective follow-up study.
2016  4月  スウェーデン

脳梗塞を経験した若年成人の心血管疾患再発リスクについて、脳梗塞の原因別に長期的に調べてみたそうな。


15-49歳で脳梗塞を経験した970人について10年前後フォローして、15年間での再発リスクを脳梗塞の原因グループ別に推定したところ、


次のようになった。

・フォロー中に29.2%で心血管疾患が起きた。

・全体として 15年再発率は、年間1000人あたり34.0人だった。

・心原性グループで心血管疾患再発リスクが最も高く、

・脳卒中再発リスクに限定すると、アテローム性動脈硬化グループが最も高かった。

脳梗塞を経験した若年成人が再び心血管疾患になるリスクは長期的にも高かった。特に心原性塞栓症とアテローム性動脈硬化が原因の場合 再発リスクが高かった、


というおはなし。
図:再発しやすい脳梗塞原因

感想:

椎骨動脈解離(VAD)が一番 再発率低いんだな、、

2016年5月21日

ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる


Associations of urinary sodium excretion with cardiovascular events in individuals with and without hypertension: a pooled analysis of data from four studies
2016  5月  カナダ

塩分摂取量は多すぎても少なすぎても脳卒中など心血管疾患になりやすいという報告がいくつかある。

高血圧症の有無を含めてこの関連を確認してみたそうな。


49カ国、55歳前後の男女13万人あまり(半数が高血圧)について24時間の尿中ナトリウム排泄量を測定し、4.2年間のフォロー中に発生した心血管疾患との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・高血圧グループでは塩分摂取量の増加に従い収縮期血圧が上昇した。

・高血圧グループでは、1日あたりのナトリウム排泄量が7g以上または3g未満は その中間量(4-6g)の者に比べ心血管疾患リスクが高かった。

・高血圧でないグループでは、ナトリウム排泄量が7g以上でも心血管疾患リスクの上昇はなかったが、3g未満だと心血管疾患リスクが明らかに上昇した。

高血圧グループでは塩分摂取量が平均よりも増えると心血管疾患リスクが高くなった。一方 塩分摂取量が少ない場合には、高血圧の有無に関わらず心血管疾患リスクが高くなった。減塩を勧めるのはせめて高血圧の人だけにしたほうがいい、


というおはなし。
写真:塩


感想:

ナトリウム3gは塩7.6g。尿に80%が出るとすると 摂取量は9.5gが相当。健康な人はこれを下回らないようにしなさいってことなんだな。

これ↓思い出した。
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

【常識破壊】塩分を控えさせるほど脳卒中死亡者が増えることが判明

2016年5月20日

30歳以下の脳卒中発症率 20年間の傾向


Increasing Incidence of Hospitalization for Stroke and Transient Ischemic Attack in Young Adults: A Registry-Based Study.
2016  5月  デンマーク

55歳以下の脳梗塞の発症率が年々上昇傾向にあるという報告は多い。

そこで、さらに若い15-30歳での傾向を すべての脳卒中の種類について調べてみたそうな。


1994-2012のデンマークの患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に脳卒中またはTIAで入院した患者が4156人いた。

・全体として 発症率は上昇傾向にあり、脳卒中は10万人あたり 11.97→16.77人に TIAは1.93→5.81人になった。

・男性の脳梗塞とTIAの発症率は低かったが2006から急増した。

・脳内出血、くも膜下出血の発症率は ほぼ横ばいだった。

15-30歳の脳梗塞とTIAの発症率は90年台なかばから上昇傾向にあった。とくに近年の増加が著しい、


というおはなし。

図:脳梗塞と脳出血の年次傾向

感想:

2006年以降の急な上昇はFASTキャンペーンのせいだと思うね。否定してるけど。

2016年5月19日

ランセット誌:脳虚血かな?と思ったらアスピリン飲め


Effects of aspirin on risk and severity of early recurrent stroke after transient ischaemic attack and ischaemic stroke: time-course analysis of randomised trials
2016  5月  イギリス 

これまでアスピリンによる脳梗塞の再発予防効果は長期的にはわずか(~15%)であると考えられてきた。

しかし再発の多くは早い時期に起きることから短期の経時的な予防効果を調べなおしてみたそうな。


16万人の被検者データを含む脳梗塞の再発研究12件について、
アスピリン使用者の再発結果を 6週間後、12週間後で評価したところ、


次のことがわかった。

・6週間時点での脳梗塞再発リスクはアスピリン使用者で60%低下し、障害を残すリスクも70%以上低下した。

・この効果はTIAや軽微な脳梗塞経験者で顕著だった。

・12週間を過ぎると この効果は確認できなかった。

TIAや軽微な脳梗塞のあとのアスピリンは 再発のリスクをこれまで考えられてきた以上に低下させる。頭の血管詰まったかな?と思ったらすぐにアスピリンを飲むように人々に周知するべきではないか、、


というおはなし。

図:アスピリンの短期再発予防効果

感想:

これ↓思い出した。
アスピリンに脳卒中予防効果はあるのかないのか


追記:

NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険

2016年5月18日

歩ける脳卒中経験者に杖を持たせた結果、、


The provision of a cane provides greater benefit to community-dwelling people after stroke with a baseline walking speed between 0.4 and 0.8 metres/second: an experimental study.
2015  10月  オーストラリア

慢性期脳卒中経験者に杖を与えてその影響を調べてみたそうな。


発症後6年前後で自立歩行が可能な脳卒中経験者24人について、歩行スピード別に
低速度グループ(0.4m/s未満)、
中速度グループ(0.4-0.8ms/s)、
高速度グループ(0.8m/sより大)に分けた。

さらに 杖を持たせた時の歩行スピード、歩幅、歩調(ステップ数/分)も測定したところ、


次のことがわかった。

・全体として、杖を使わせても歩幅がやや広くなるほかは、歩行スピード、歩調に大きな違いはでなかった。

・中速度グループでは杖使用によってスピードが0.18m/s速くなり、歩幅が0.07m広くなった。歩調は変わらなかった。

・杖使用前後で 中速度グループは、スピード変化量が高速度グループよりもさらに0.27m/s速く、低速度グループよりもさらに0.12m/s速くなった。

慢性期脳卒中経験者への杖の提供は、中速度の歩行能力者にとってはメリットが大きかった。しかし高速度の歩行ができる者にとってはむしろ害になった、


というおはなし。

図:杖を持たせた脳卒中経験者

感想:

杖を使っても遅いひとは遅いまま、速いひとは遅くなる。
「転ばぬ先の杖」は はやく歩くためのものではないってこと。

2016年5月17日

嚥下障害に咽頭電気刺激はほんとうに効くのか


Pharyngeal Electrical Stimulation for Treatment of Dysphagia in Subacute Stroke
2016  5月  イギリス

脳卒中後の嚥下障害は予後の悪化につながる いっぽうで治療法は限られる。

咽頭電気刺激はこれまで3つのランダム化比較試験で有効であるとされている。
ほんとうのところはどうか、確かめてみたそうな。


脳卒中で嚥下障害の患者162人(平均年齢74、脳梗塞89%)について1回10分間の咽頭電気刺激治療を3日間行い、2、6、12週間後に改善度を評価した。
偽刺激グループも設けて比較した。


次のことがわかった。

・2週間後、誤嚥スケールは両グループで差がなかった。

・6、12週間後の嚥下能力、症状ともにグループ間の差はなかった。

・有害事象はなかった。

脳卒中で嚥下障害の患者への咽頭電気刺激は安全ではあるものの、改善効果はまったく認められなかった、


というおはなし。



感想:

これ↓思い出した。
嚥下リハビリにバイタルスティムセラピーはいかが

2016年5月16日

医師の脳内出血予後予測はあてにならないことが判明


Variability in physician prognosis and recommendations after intracerebral hemorrhage
2016  4月  アメリカ

医師による脳内出血患者の予後予測のバラつきを調べてみたそうな。


神経科の医師742人に脳内出血患者の症状、意識レベル、血液検査、CT画像、血腫体積などの情報例をいくつか与え、30日死亡率の予測と治療方針を決定させた。

別に予後予測スコアを加えたときの治療方針も確認した。


次のようになった。

・30日死亡率予測は医師ごとに0-100%まで大きく異なった。

・保存療法から積極治療まで方針も様々だった。

・これらの違いに医師の宗教信条などは関連しなかった。

・予後予測スコアは極端に低いか高い場合に治療方針に影響した。

脳内出血患者の予後予測は医師ごとにまったくバラバラだった、


というおはなし。

図:脳内出血30日死亡予測

感想:

だからこういうこと↓が起きるんだね。
すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験

2016年5月15日

バランス力を改善する効果的な首刺激法とは


Short-term effect of neck muscle vibration on postural disturbances in stroke patients.
2016  5月  フランス

脳卒中のあと バランス感覚の乱れはリハビリの妨げになる。

首筋肉の深部感覚は前庭神経、視覚神経系にリンクがあり 姿勢制御に影響することがわかっている。

そこで首の筋肉に振動刺激を与えたときのバランス能力への影響を確かめてみたそうな。


平均年齢62、発症3ヶ月以内の脳卒中患者31人(右脳損傷15人、左脳損傷16人)について、首筋肉への振動刺激10分間ののち足圧中心を測定してバランス能力を評価した。

首筋肉刺激は、損傷脳と反対側の首の後ろに振動子を着け、暗い部屋で患者正面に点状の明かりを投影して行った。

このとき光点が損傷脳側へ向かって移動する錯覚が起きる患者がいるので、彼らを区別した。


次のようになった。

・首筋肉振動刺激で脳卒中後のバランスの側方へのゆらぎが減少した。

・64.5%が光点の移動錯覚を経験した。

・この錯覚のある患者はない患者にくらべ首筋振動によるバランス改善効果が大きかった。

脳卒中患者への首筋肉振動刺激により姿勢の非対称性が改善した。この短時間の振動刺激は光点移動錯覚の起きる患者ほど効果的だった、


というおはなし。

図:首振動刺激よイリュージョン


感想:

電動マッサージ器で簡単に実験できるね。

2016年5月14日

脳卒中後の疼痛とリハビリへの影響


Pain syndromes in hemiplegic patients and their effects on rehabilitation results.
2016  3月  トルコ

脳卒中で片麻痺患者の疼痛の種類と部位、リハビリへの影響を調べてみたそうな。


平均年齢64、156人の患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・疼痛のある患者の割合は29.5%で、

・86.7%が炎症や刺激による侵害受容性疼痛だった。

・13.3%は神経系の機能異常による神経障害性疼痛だった。

・ほとんどの疼痛は肩に集中していた。

・投薬による疼痛治療には有意な効果が認められた。

・疼痛あり、なしの両グループでリハビリ前後で運動機能、機能的自立度は改善し、グループ間の差は確認できなかった。

脳卒中後の疼痛は 侵害受容性疼痛のほうが神経障害性疼痛よりもずっと多く、ほとんどが肩関節に集中しており リハビリ成果には影響しなかった、


というおはなし。



感想:

なんで肩 痛くなるんだろう?なっとくのいく説明みたことないんだよな。

2016年5月13日

アスピリンに脳卒中予防効果はあるのかないのか


Aspirin for Stroke Prevention in Elderly Patients With Vascular Risk Factors
2016  5月  日本

脳卒中再発予防の抗血小板薬として アスピリンは世界でひろく使用されている。しかしアスピリンの脳卒中一次予防効果については議論が多く しかもアジア人でのエビデンスはほとんどない。

そこで アスピリンの脳卒中予防効果を日本人で大規模に調べてみたそうな。


60-85歳で高血圧、脂質異常、糖尿病などをもつ14464人についてアスピリン処方グループとアスピリンなしグループに分けて5年間フォローしたところ、


次のようになった。

・この間の脳卒中発生率は両グループでほぼ同じだった。

・アスピリングループでは脳梗塞とTIAが少なかったが有意なほどではなかった。

・アスピリングループで脳内出血が多かったが有意な差ではなかった。

・しかし70歳以上で喫煙習慣や糖尿病がある場合、アスピリンの脳卒中予防効果は明らかに 無かった。

アスピリンの脳卒中予防効果は、少なくとも脳卒中のリスク要因を持つ70歳以上の日本人では まったくその効果が認められなかった、


というおはなし。

図:アスピリン脳卒中予防効果

感想:

効果がひじょうに微妙だということはよーくわかった。



追記:

NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険

2016年5月12日

上肢リハビリが楽しくなるスマホアプリは これ


Towson professors develop rehabilitation app
2016  5月  アメリカ

アメリカの大学が脳卒中患者向けに上肢リハビリ用モバイルアプリを製作したというニュース。



概要:

・タウソン大学の3人の教授が協力して脳卒中患者の上肢訓練iPhoneアプリを製作した。→ARMSrokes

・このアプリは患者ごとに訓練内容を最適化でき、データを蓄積してPTやOTが評価できるようにもなっている。

・患者のひとりはリハビリやる気がないときでもこのアプリなら童心に帰って楽しむことができると感想を述べている。

・現在はさらなる改良のためアプリを調整中である。被検者を募集しているのでウェブサイトから応募してほしい、


というおはなし。


感想:

失語むけの学習系モバイルアプリはいままでにもあった。運動系で腕を大きく動かすタイプは初めて見る。

で、私のイチオシはこれ↓
Force Saber of Light

2016年5月11日

NEJM誌:脳内出血がひどいのでtPA減らしてみた


Low-Dose versus Standard-Dose Intravenous Alteplase in Acute Ischemic Stroke
2016  5月  オーストラリア

急性脳梗塞の治療薬 tPAをつかうと脳内出血がよく起きる。

そこで使用量を減らしてみて 治療効果や死亡率への影響を確かめてみたそうな。


血栓溶解治療に適した3310人の患者(63%がアジア人)を、tPAが通常の2/3の低用量グループと通常用量グループに分けたところ、


次のようになった。

・90日後に障害が残った患者の割合は、53.2% vs. 51.1% で低用量グループが多かった。

・脳内出血を起こした患者は1.0% vs. 2.1% で通常用量グループが多く、

・7日後の死亡例も0.5% vs. 1.5% で通常用量グループで多かった。

・90日後の死亡率は8.5% vs. 10.3% で通常用量グループが高かったが有意な差では無かった。

主にアジア人を対象にした実験では 低用量のtPA治療は通常用量にくらべ障害が残る率がやや高かったものの、脳内出血と死亡者数は少なかった、


というおはなし。

図:低用量tpaの効果

感想:

さっき ためしてガッテン見てたらtPAの宣伝してたので関心を持った。

2016年5月10日

麻痺上肢の筋力低下が握力でわかる理由


Grip strength is a representative measure of muscle weakness in the upper extremity after stroke.
2016  5月  スウェーデン

脳卒中のあとの上肢筋力の低下は珍しくない。

計測が簡単な握力と 他の上肢筋力との関連を調べてみたそうな。


軽中等度の上肢麻痺の慢性期脳卒中患者45人について、
握力および肩 肘の伸筋 屈筋の等尺性筋力、等速性筋力を計測して関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・麻痺手、非麻痺手ともに 握力と上肢の全ての筋力値との関連度が有意に高かった。

慢性期脳卒中患者の握力は上肢筋力と強く関連していた。握力は他の上肢筋力に比べ計測が容易なので筋力低下確認の目安になるだろう、


というおはなし。

写真:握力計

感想:

握力なんてもう数10年計ってないな、、、と思いアマゾンみたらデジタル握力計が2000円足らずで買えるのな。

2016年5月9日

脳卒中の垂直位異常 を治す方法


Rotational coherent dot movement normalizes spatial disorientation of the subjective visual vertical in patients with rightsided stroke.
2016  4月  ドイツ

脳卒中患者の垂直方向の認識は損傷脳の反対方向に偏りが生じやすい。

点模様の回転映像でこの偏りに影響がでるものか実験してみたそうな。


脳卒中の右脳損傷で自覚的視性垂直位(SVV)に異常のある者10人および異常のない10人、健常者10人について、

*ドット群が静止
*ドット群の時計回り
*ドット群の反時計回り

の各映像をみせながらSVVを測定したところ、


次のようになった。

・ドット群が静止しているとき異常グループのSVVは左方向に傾いていた。

・ドット群が時計回りに動いているときSVV異常グループの偏りは相殺され、反時計回りに動いているときには偏りがよりひどくなった。

・SVVに異常のないグループおよび健常者にも似たような傾向は見られたが わずかな程度だった。

右脳損傷で垂直位に異常な偏りを生じた脳卒中患者にドット群の回転運動を見せたところ 垂直位がかなり影響された。治療に活かせるかもしれない、


というおはなし。

図:自覚的視性垂直位

感想:

動的な視覚刺激で位置感覚が大きく影響されるってことなんだよな。

わかる気がする。
車の運転中に景色が流れるスピードが速くなるとクラクラするような いままでに感じたことのない不安にかられるんだよね。だからいつも亀走行。

これ↓思い出した。
プッシャー現象 なぜ脳卒中患者は傾くのか

2016年5月8日

脳卒中のメキシコ系アメリカ人が復職しにくい理由


Mexican Americans are Less Likely to Return to Work Following Stroke: Clinical and Policy Implications.
2016  4月  アメリカ

脳卒中後の復職のしやすさを人種間で比べてみたそうな。


メキシコ系アメリカ人および白人の脳卒中経験者729人について調査したところ、


次のことがわかった。

・27%が脳卒中発症時に仕事に就いていた。

・そのうち40%が90日以内に復職した。

・メキシコ系アメリカ人の復職率は白人の半分以下だった。

・この人種間の差は、神経症状の重さと教育歴を考慮すると小さくなった。

半数以上の脳卒中経験者が90日以内には復職していなかった。メキシコ系アメリカ人の復職率は白人に比べ低かったが、これは神経症状が重いことと学歴の低さによるものだった、


というおはなし。

写真:メキシコ系アメリカ人


感想:

ヒスパニック系アメリカ人のなかで最も多いのがメキシコ系ってことと理解。

これ↓思い出した。
生粋のヒスパニックは脳卒中に強い

2016年5月7日

脳内出血経験者が認知症になる率がわかった


Dementia risk after spontaneous intracerebral haemorrhage: a prospective cohort study.
2016  4月  フランス

脳卒中患者の少なくとも10%は発症後1年内に認知症になる。脳卒中全体の15%を占める脳内出血患者ではどうか、調べてみたそうな。


平均年齢67.5 突発性の脳内出血患者218人について
6年間フォローして認知症の発症、脳の損傷位置などとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・1年後14.2%が、4年後28.3%が新たに認知症になった。

・皮質下出血の場合、認知症発症率は2倍以上だった。

・脳表ヘモジデリン沈着、皮質萎縮、微小脳出血、高齢 が認知症のリスク要因だった。


脳内出血経験者が新たに認知症になるリスクはかなり高かった。脳アミロイド血管症が背景にあると考えられた、


というおはなし。

図:認知症

感想:

オレ脳内出血だからなぁ、、
認知症になりやすいって意識できているのといないのとでは結果はきっと違うと思うんだ。

2016年5月6日

飲酒と脳卒中 中国農村部での調査


Alcohol consumption and cardiovascular diseases in rural China.
2016  4月  中国

アルコールと脳卒中など心血管疾患との関連をアジア人で調べてみたそうな。


中国農村部で35歳以上の11269人について日頃のアルコール摂取量と病気歴を調査し 関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・75.8%は飲酒はせず、7.5%は控えめな適度の飲酒で、16.7%が大酒飲みだった。

・平均のアルコール摂取量は1日あたり15.3gで、男性32.5g、女性1.0g だった。

・非飲酒グループにくらべ大酒飲みは冠動脈疾患、高血圧のリスクがそれぞれ1.3倍、1.7倍だった。

・適度な飲酒と冠動脈疾患、高血圧、脳梗塞との関連は見られなかった。


中国農村部での飲酒量は特に男性で多く、大量飲酒は冠動脈疾患、高血圧の要因だったが脳梗塞との関連はなかった。適度な飲酒は毒にも薬にもならなかった、


というおはなし。

写真:中国の酒

感想:

飲み過ぎは論外として、目くじら立てるほどのことではないのかもな。

2016年5月5日

運動イメージ訓練の下肢リハビリ効果


Motor Imagery Training on Muscle Strength and Gait Performance in Ambulant Stroke Subjects-A Randomized Clinical Trial.
2016  3月  インド

運動イメージ訓練は実際に運動をすることなく頭の中だけで特定の運動動作を行う。この訓練効果を脳卒中患者の下肢の運動機能について調べてみたそうな。


発症後3ヶ月以上経つ脳卒中で片麻痺の患者40人について、運動イメージ訓練あり、なしのグループに分けた。

運動イメージ訓練では 動作課題の音声指示を録音したものを リラックスした環境で聴きイメージする。1回30分x週4回x3週間行う。

並行して通常の理学療法も行う。

この前後で下肢筋力、歩行スピードを測定した。


次のようになった。

・3週間後、両グループ共に下肢の運動機能が大きく改善した。

・特に運動イメージグループで大腿の屈筋 伸筋、膝の伸筋、足首の背屈筋および歩行スピードの改善度が比較グループに比べ明らかに優れていた。

通常訓練に運動イメージ訓練を加えることで下肢筋力、歩行パフォーマンスが大きく改善できた、

というおはなし。

図:運動イメージ訓練

感想:

初めてのエスカレータの前日には頭が疲れて気を失うくらいイメージ訓練やったよ、 自己流だけど。

[運動イメージ リハビリ]の関連記事

2016年5月4日

脳卒中から退院したのち再入院する割合と原因


Prevalence, causes and risk factors of hospital readmissions after acute stroke and transient ischemic attack: a systematic review and meta-analysis.
2016  4月  中国

脳卒中またはTIA患者の再入院率と原因を調べてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・患者25万人あまりを含む10の研究が見つかった。

・退院後30日間、1年間の再入院率はそれぞれ 17.4% ,42.5% だった。

・30日間再入院の原因トップ3は、感染症(19.9%),冠動脈疾患(17.8%),脳卒中再発(16.0%)だった。

・1年間再入院の原因トップ3は、脳卒中再発(19.4%),感染症(19.3%),冠動脈疾患(16.3%)だった。

・脳卒中後の再入院患者には冠動脈疾患が明らかに多かった。

・再入院患者は 初回の入院期間が長く神経症状が重い特徴があった。

脳卒中やTIAで退院した患者の再入院率は短期的にも長期的にも高かった。冠動脈疾患があり 初回入院期間が長く 神経症状の重かった患者は再入院の可能性が高い、


というおはなし。

図:再入院

感想:

脳卒中の再発以外が思ったより多い、、

2016年5月3日

脳幹の脳卒中で閉じ込め症候群になった32歳女性の体験談


‘I was still in there’: A 32-year-old learns what it’s like to be trapped inside her own body
2016  4月  アメリカ

脳卒中で閉じ込め症候群を体験した女性のはなし。
ワシントンポストの記事。

・Brisa Alfaro(ブリサ アルファロ)は彼女が32歳のときに脳幹の脳卒中で入院した。

・外見的には昏睡状態のなか、周囲の音はしっかりと聴こえていた。

・それに気づかない医師たちは『彼女はもう目覚めない』とか『食事はもちろん呼吸すらできないだろう』と彼女の傍で言いたい放題だった。

・それでも彼女の母親は諦めずにベッド脇で語りかけ、さすったり、好きな音楽を聴かせたりし続けていた。

・数日後、目の動きに反応が現れ、医師は閉じ込め症候群に気付いた。

・やがて指がうごきホワイトボードを使ってコミュニケーションできるようになった。

・2年後、リハビリを続けながらも両親の仕事を手伝うまでに回復している。


というおはなし。



感想:

これ↓思い出した。
すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験

2016年5月2日

脳卒中の高齢一人暮らしがすぐに死んでしまう理由


Reversal of the Detrimental Effects of Post-Stroke Social Isolation by Pair-Housing is Mediated by Activation of BDNF-MAPK/ERK in Aged Mice.
2016  4月  アメリカ

社会的な孤立は脳卒中死亡率に関連する。

高齢者を想定して、高齢ネズミをつかってこのメカニズムを調べるべく実験してみたそうな。


3週間 2匹ずつペアで飼った高齢ネズミ計140匹を人為的に脳梗塞にして、

*1匹飼いの孤立グループと
*引き続きペアのグループに分けた。

3日後、3週間後の死亡率、神経症状、梗塞の体積およびシナプス可塑性に関する84種の遺伝子を調べたところ、


次のことがわかった。

・3日間死亡率 7.1% vs. 14.2%、 3週間死亡率 19.0% vs. 28.5% でいずれも孤立グループが高かった。

・梗塞の体積は明らかに孤立グループで大きかった。

・感覚運動障害および学習、記憶能力がペアグループで大きく改善した。

・シナプス可塑性に関するいくつかの遺伝子の発現が両グループで異なっていた。

・ペアグループでは脳由来神経栄養因子BDNFが増加しミエリン構成タンパク質を調整していた。

脳卒中のあとの社会的な孤立による死亡率の上昇、神経症状の悪化、梗塞の拡大、特徴的な遺伝子発現、BDNFレベルの低下が確認できた、


というおはなし。

図:BDNF同居

感想:

これ↓思い出した。
一人暮らしの男性脳卒中経験者はなぜ長生きできないのか?

2016年5月1日

マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる


Multivitamin Use and the Risk of Cardiovascular Disease in Men.
2016  4月  スウェーデン

マルチビタミンの使用と心血管疾患との関連を男性で調べてみたそうな。


40歳以上の男性医師18530人のライフスタイルを調査し、脳卒中など心血管疾患の発生を12年あまりフォローしたところ、


次のようになった。

・マルチビタミンを摂っている人の心血管疾患リスクは摂っていない人の0.94倍で有意な差はなかった。

・しかしマルチビタミンを20年以上摂っている人に限定するとリスクは0.56倍になった。

マルチビタミン効果について健康男性を長期フォローした結果、20年以上摂っている場合にのみ心血管疾患リスクの低下を確認できた、


というおはなし。

図:マルチビタミンの効果

感想:

効果が明らかでないものを20年以上も続けられるほどの健康意識の高さの持ち主ってことなんだろうか。
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