元
The influence of naturalistic, directionally non-specific motion on the spatial deployment of visual attention in right-hemispheric stroke.
2016 4月 イギリス
脳卒中での右脳損傷は左側への注意障害を起こすことがある。視野に入る情報が静的な場合と動的な場合とで注意の配分に違いが出るものか、慢性期の患者で確かめてみたそうな。
慢性期の右脳損傷患者24人
(左側無視+左側視野欠損の8人、左側無視なし+左側視野欠損の8人、無視なし視野欠損なしの8人)
および健常者8人について、
自動車が通行する交差点の映像を映し出すスクリーンの前に座らせた。
自動車がない場合(静的)と 自動車がランダムに左右から横切ってゆく場合(動的)とで眼球の動きを記録 解析したところ、
次のことがわかった。
・静的なシーンの場合、各患者と健常者は視野全体への視線の分布はほぼ同じで病的な視線の偏りは見られなかった。
・動的なシーンの場合、左側無視+左側視野欠損のある患者は右方向へ視線が集中し、
・左側無視なし+左側視野欠損の患者は左方へ視線が集中した。
・無視や視野欠損のない脳卒中患者は健常者と視線分布が同じだった。
発症から充分に時間が経ち半側空間無視が治っているように見える脳卒中患者でも、通行量の多い交差点などでは注意力に病的な偏りを示す可能性がある、
というおはなし。
感想:
わかる気がする。ようするに注意リソースが足りないんだと思う。
車運転してると歩行者や合流待ちの車に注意をとられて反対側をまったく見ていないシーンが何度かあり そのたび ヒヤッとした。
いまでは注意を奪われたと感じたときは すぐにその逆側も見るように心がけている。