元
Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving activities of daily living, and physical and cognitive functioning, in people after stroke.
2016 3月 ドイツ
脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は 脳に働きかけリハビリに効果的で安全な方法である、という報告は少なくない。
ほんとうのところはどうなのか これまでの研究をきっちりと調べてみたそうな。コクランレビュー。
tDCSの日常生活動作への効果に関連する過去の研究成果を分類し データを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・被検者748人を含む32の研究がみつかった。
・日常生活動作の評価として 396人を含む9の研究、269人を含む6の研究があったが標準化平均差SMDはそれぞれ0.24, 0.31だった。
・上肢機能の評価として 431人を含む12の研究、187人を含む4の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。
・筋力評価に関するものは 313人を含む10の研究、156人を含む3の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。
・26%の研究で 被検者の脱落、有害事象、死亡が報告されていた。
脳卒中患者へのtDCSが日常生活動作を改善する効果については極めて低レベルのエビデンスしかなく 特に上肢機能に関する効果はまったく確認できなかった、
というおはなし。
感想:
頭に乾電池の電極を貼り付けるだけで障害が治ってしまうほど単純であって欲しくない 人間の身体は。