元
Mentalizing the body: spatial and social cognition in anosognosia for hemiplegia.
2016 1月 イギリス
脳卒中で右脳を損傷したにもかかわらず 自らの片麻痺に気づいていない患者がいる。これを病態失認と呼ぶ。
これまで病態失認の研究は患者の一人称視点に基づいたものが多かったが、自分を客観視する三人称視点を持つ能力に問題はないのか、調べてみたそうな。
右脳損傷で病態失認の15人と病態失認の無い15人および健常者15人について、
視覚的または心理的に一人称視点、三人称視点をとったときの認知能力テストを行い比較した。
また病態失認に固有な病巣位置を解析したところ、
次のことがわかった。
・病態失認患者では三人称視点を持つ能力のスコアが明らかに悪かった。
・特に心理的に自らを客観視する能力が劣っていた。
・下、中前頭回、上側頭回がこの能力に関連すると考えられた。
心的に視点を切り替える能力の神経認知上の障害が病態失認に関係していると考えられた。この結果は自己意識と客観認識について新たな見方を与えてくれるだろう、
というおはなし。
感想:
以前は自動車運転中に半径10m以内の他車の動きは見なくてもはっきりと心にイメージできていた。けどいまは 見える範囲に少ない注意リソースを配ることで精一杯なんだ。
たぶんそんなようなことだと思う。