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2015年2月28日

若い脳内出血患者が長期的にウツになる割合


Depression, anxiety, and cognitive functioning after intracerebral hemorrhage.
2015  1月  フィンランド

若年脳内出血患者のウツを長期的に調べてみたそうな。


16-49歳の脳内出血患者336人を10年間ほど追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・23%にウツが、40%に不安症状が見られた。

・障害の重さとウツ、精神的苦痛が関連していた。

・9%が抗うつ薬を使用していた。


若年脳内出血患者の4人に1人が長期に渡りウツだった。障害が重いほどウツになりやすかった、


というおはなし。



感想:

回復著しいはずの若年者ですら ながくウツに悩む割合が少なくない、ってことなんだろな、

2015年2月27日

YouTube の脳卒中ビデオってどうなのよ?


Is YouTube and stroke a bad liaison?
2015  2月  アメリカ

YouTube上にある脳卒中関連コンテンツの質を評価してみたそうな。


次の条件で対象を絞り込んだ。

*キーワードは脳卒中(“Stroke,” “Cerebrovascular accident,” “Brain attack,”“Transient Ischemic Attack,” and “Stroke Survival.”)
*英語のみ
*長さ10分未満
*検索結果10ページ以内


次のようになった。

・201本のビデオが見つかった。

・血栓溶解療法(rt-PA)に触れているものは9%のみだった。

・発信者の47%は医師、27%が患者自身、26%は その他:ニュースや広告だった。

・再生回数や評価が高いビデオは「その他」由来が多かった。

・医師によるリスク要因や予防、症状、脳卒中の種類についての情報も多かった。


YouTubeは脳卒中の症状や発症時のサインを学ぶには良い媒体である。一方、最新の治療法についての情報は少なく、その質も限られたものだった、


というおはなし。

情報ソース
情報ソース別


感想:

日本語で同様の検索をして以下のビデオ(脳卒中時代)を見つけた。
滋賀県の脳卒中予防事業の一環で作成されたもので1-8話まである。作りがしっかりしている割には 再生頻度が1日1ビュー程しかない。 
おもしろいよ。

2015年2月26日

睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し


Sleep duration and risk of fatal and nonfatal stroke
2015  2月  イギリス

睡眠時間と脳卒中リスクとの関連を調べてみたそうな。


42-81歳で脳卒中歴のない9692人について睡眠時間を調査し、その後の脳卒中の有無を9.5年間追跡して関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に346件の脳卒中が起きた。

・睡眠8時間を超える人は平均的な人に比べ脳卒中リスクが1.46倍だった。

・調査以前には病歴がなく平均的な睡眠時間だった人でも同様の関連があった。

・いっぽう 睡眠6時間未満の人は脳卒中リスク1.18倍だった。

・もともと睡眠時間が長かった人や歳とともに長くなった人も脳卒中リスクが高かった。

・同様な過去11件の研究データを統合再解析した結果でも 短時間睡眠で1.15倍、長時間で1.45倍 となり、今回の結果と良く合致していた。


睡眠時間を調べれば脳卒中になりそうかどうかがわかる、


というおはなし。
長い睡眠

感想:

どういう理由でこうなるのかは わからないらしい。

自慢じゃないけど幼いころから睡眠時間はとても長い。

2015年2月25日

リハビリ病院で栄養は足りているのかしらん


Weight reduction after severe brain injury: a challenge during the rehabilitation course.
2015  2月  デンマーク

脳を損傷した患者の体重変化、栄養状態について調べてみたそうな。


リハビリ病院に入院して3ヶ月以内の患者76人について調査したところ、


次のことがわかった。

・患者は入院時 すでに体重が6%ほど低下していた。

・外傷性脳損傷の患者は脳卒中患者に比べ体重減少が大きかった。

・30%の患者は栄養失調リスクが高く、

・そのうちの52%は入院時すでに非経口栄養だった。

・脳損傷の程度や合併症、機能回復、入院日数と栄養失調との関連は見られなかった。


脳損傷患者では体重低下に特に注意が必要だろう、


というおはなし。
体重減少

感想:

リハビリ病院にいるときは いっつもお腹が空いていて、隣ベッドの患者の留守中に運ばれてきた天ぷらそばをこっそり食べてしまいたい衝動と必死に戦った思い出。

2015年2月24日

パートナーがどういう気持ちでいれば患者はウツにならないのかな


Effects of Self-esteem, Optimism, and Perceived Control on Depressive Symptoms in Stroke Survivor-Spouse Dyads.
2015  2月  アメリカ

脳卒中経験者とその配偶者の抑うつ度の相互関係を調べてみたそうな。


平均年齢63の脳梗塞患者112人とその配偶者にアンケートで抑うつ症状、自尊心、楽観度、認知制御力について調査し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・自尊心および楽観度が低い配偶者を持つ脳卒中経験者は 抑うつ症状がひどかった。

・自尊心の低い脳卒中経験者の配偶者もまた 抑うつ症状がひどかった。


脳卒中経験者とパートナー両者の自尊心が互いの抑うつ度に与える影響および、パートナーの楽観度が患者の抑うつ度に与える効果を確認できた、


というおはなし。
うつ

感想:

患者の抑うつ症状を治したければパートナーの自尊心をくすぐり楽観的にすればイイんだね。

2015年2月23日

作業療法士さんに来てもらったけど効果が無いばかりか気晴らしにもならなかった


An occupational therapy intervention for residents with stroke related disabilities in UK care homes (OTCH): cluster randomised controlled trial.
2015  2月  イギリス

脳卒中が原因で介護施設に入所中の患者を対象とした作業療法士派遣プログラムの効果を大規模に調査してみたそうな。


*114施設(入所者568人)へ作業療法士を3ヶ月間派遣し、
*別の114施設(入所者474人)では通常の介護を継続した。

派遣された作業療法士は患者のリハビリ計画の作成、職員の教育などにも当たった。

3、6、12ヶ月後の生活自立度および精神心理的状態を測定し比較した。


次のようになった。

・患者は平均年齢83、63%が女性だった。

・1人の患者あたり5.1回作業療法士が訪問した。

・3ヶ月時点での生活動作上の自立度にグループ間の差はほとんど無かった。

・6,12ヶ月時点での生活自立度、抑うつ度、QoLもグループ間で有意な差はみられなかった。


介護施設の脳卒中患者への作業療法士派遣プログラムは 身体機能の維持、気分、生活の質においていずれの時点でも効果が認められなかった。別の方法を考えるべきだろう、


というおはなし。


感想:

高齢だから身体がより動くようになるとは思わないけど、気晴らし程度の成果も無いとなると深刻だな。ビデオゲームが取って代わるのは時間の問題か、、

2015年2月22日

脳卒中のあと どんな人が抑うつを感じるのか


Acute phase factors associated with the course of depression during the first 18 months after first-ever stroke.
2015  2月  ノルウェー

脳卒中のあと18ヶ月間の抑うつレベルに影響する初期の要因について調べてみたそうな。


94人の脳卒中患者について、発症後15日および6,12,18ヶ月後に面談調査した結果、


次のことがわかった。

・抑うつレベルは18ヶ月間 ほぼ一定だった。

・急性期に身体機能の低い、発症時に一人暮らし または失業中の患者は 抑うつスコアが高かった。


脳卒中の早い段階からの精神心理的サポートが必要かも知れない、


というおはなし。
抑うつ


感想:

影響要因に「一人暮らし」や「失業中」が入っていると なんとなく解決可能な問題に思えてくる。

2015年2月21日

大麻と脳卒中の関係について


Cannabis and Stroke Systematic Appraisal of Case Reports
 2015  2月  イギリス

大麻と脳卒中の関係を示す症例報告を集めてみたそうな。


・平均年齢32 脳卒中患者64人ぶんの34件の報告が見つかった。

・81%の患者が大麻を吸ったあと24時間以内に脳卒中を発症していた。

・患者の50%は たばこや飲酒といったリスク要因を同時に抱えていた。

・およそ4人に1人(22%)は 大麻を再開したあとに脳卒中を再発していた。


多くの症例が大麻と脳卒中の因果関係を示していた、


というおはなし。


感想:

アメリカにならってそのうち解禁になるだろうから覚えとかないとな。

2015年2月20日

軽症なのにすぐにボケてしまう脳卒中患者を簡単に判別する方法が判明


Gait Measures as Predictors of Poststroke Cognitive Function: Evidence From the TABASCO Study.
2015  2月  イスラエル

脳卒中患者は認知機能障害になるリスクがある。

歩行、バランス機能がその予測に役立つものか 調べてみたそうな。


平均年齢67、軽症の脳梗塞またはTIAの患者298人について
認知機能および移動能力の検査を発症後6,12,24ヶ月の時点で行い関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・2年間の追跡期間中に15.4%の患者が認知機能障害となった。

・認知低下した患者は低下しなかった患者と梗塞の大きさや位置に違いはなかった。

・発症6ヶ月時点で、認知低下グループではタイムアップアンドゴーテストの時間が長かった。

・さらに認知低下グループではバランステストのスコアが低く、

・歩行時の二重課題テストの正答率も低かった。

・脳梗塞とTIAを分けて解析しても同様の結果になった。

・6ヶ月時点でタイムアップアンドゴーテストが12秒以上かかる患者は2年以内に認知機能障害になるリスクがかなり高かった。


歩行バランス機能の簡単な検査が、軽症脳卒中患者のその後の認知機能障害リスクを判定する目安になり得るだろう、


というおはなし。



感想:

タイムアップアンドゴーは普通人で5-6秒だから、特に麻痺もないのに動きのトロさが2倍以上だったらヤバイぞ、ってことと理解。

2015年2月19日

脳卒中後の疲労感と歩数の関係について


Exploratory Longitudinal Cohort Study of Associations of Fatigue After Stroke.
2015  2月  イギリス

脳卒中後の疲労感の原因はよくわかっていない。

そこで身体活動の低下との関係を調べてみたそうな。


平均年齢72の脳卒中患者136人について、疲労、不安、ウツスコアおよび眠さ、QoL、身体活動状況を発症1,6,12ヶ月後に測定し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・6,12ヶ月時点で、疲労認定された患者の歩数は有意に少なかった。

・いずれの時期においても、疲労度高めの患者は歩数が少なく、ウツや不安、眠気が強く、QoLが低かった。

・1ヶ月時点で歩数が少ない患者はその後の疲労度も高かった。


歩数の少ない患者は疲労がひどくなりやすかった。身体活動を上げれば疲労を改善できるかもしれない、


というおはなし。

疲労


感想:

疲れっぽいから歩かないんだろ、、

と思ったけど、自分の経験的に トレーニングを続けて体力が充実してくるにしたがい疲労を意識する頻度が下がってくるね。

2015年2月18日

健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに


Frequent Physical Activity May not Reduce Vascular Disease Risk as Much as Moderate Activity: Large Prospective Study of UK Women
2015  2月  イギリス

血管疾患の予防には運動が良いと言われているけど、どの程度の運動が適しているのか調べてみたそうな。


平均年齢56 健康な女性110万人について、事前に運動活動状況を調べ、3年後さらに詳細な活動内容、運動時間を確認した。

その後9年間にわたり病気の有無をフォローしたところ、


次のことがわかった。

・この間に冠動脈疾患49113件、脳血管疾患17822件、静脈塞栓症14550件があった。

・ほとんど運動しない女性にくらべ、週に2-3回軽く汗をかく程度に運動する女性の血管疾患リスクは20%ほど低かった。

・しかし適度に運動する女性に比べ毎日激しく運動する女性の血管疾患リスクは上記3種類の疾患すべてで高かった。

・これらリスクは脳出血、脳梗塞、静脈血栓症にわけても差はなかった。


運動しない人にくらべ週2-3回の適度な運動を心がける女性の冠動脈疾患、脳血管疾患などのリスクは低かった。さらにそれ以上の運動は リスク低下にはつながらないので薦められない、


というおはなし。

図:運動と脳卒中リスク


感想:

すすんでスポーツ競技に参加するような人は寿命を縮めてるんだろな、、

2015年2月17日

脳卒中でタイピングできなくなった例


Dystypia after ischemic stroke: a disturbance of linguistic processing for Romaji (Romanized Japanese)?
2015  2月  日本

脳卒中がきっかけになってタイピングができなくなった例があったそうな。


・タッチタイピングのできる77歳女性が左脳の梗塞になった。

・一時的に読み書き障害に陥ったが概ねすぐに回復した。

・しかしローマ字の読み書き障害だけは回復しなかった。

・そのためか、タッチタイピングが再びできるようにはならなかった。


というおはなし。

ローマ字


感想:

自分の脳の異常に気がついたきっかけがタッチタイピングの連続ミスだった。その4時間後には入院してた。

いまだに左手指の触覚が非常に弱いので見ないとキーの位置がよくわからない。だからタッチタイピングはおあずけ中。

2015年2月16日

脳卒中患者のアンヘドニア(無快楽症)の特徴


The association of post-stroke anhedonia with salivary cortisol levels and stroke lesion in hippocampal/parahippocampal region.
2015  2月  ブラジル

アンヘドニアは無快楽症、快感消失ともいわれ、以前は価値があると感じていたものに喜びや楽しみを一切失ってしまう症状を指す。

脳卒中患者のアンヘドニアと病変の部位、大きさ、コルチゾールとの関連を調べてみたそうな。


もともとウツ症状のなかった脳卒中患者36人について調べたところ、


次のことがわかった。

・7人にアンヘドニアを認めた。

・アンヘドニアの患者は唾液中のコルチゾールレベルが朝にとても高く、

・海馬傍回での脳損傷が大きかった。

・アンヘドニア患者の海馬傍回での脳損傷体積とコルチゾールレベルの日周変動に関連があった。


脳卒中でアンヘドニアの患者は海馬傍回の損傷および視床下部-下垂体-副腎系の機能不全と関連があった、


というおはなし。
アンヘドニア
感想:

アパシーや疲労問題とどう違うのか、、と思って読んでみたけどよくわからなかった。

性欲、食欲も失っちゃうらしいんだよね。

2015年2月15日

気持ちがポジティブな人は脳卒中になりにくいのだろうか


Positive affect is not associated with incidence of cardiovascular disease: A population-based study of older persons.
2015  2月  オランダ

ポジティブな感情が脳卒中など心血管疾患の予防になるのか調べてみたそうな。


55歳以上の健康な6349人について複数の精神心理テストを行い心血管疾患(脳卒中、心臓まひ、心筋梗塞)の有無を追跡調査した。


次のことがわかった。

・12年ほどの追跡期間中に1480件の心血管疾患があった。

・ポジティブ感情と心血管疾患との関連は見られなかった。

・年齢、性別など他の要因を考慮にいれてなお、結果は変わらなかった。


健康な高齢者を12年あまり追跡調査した結果、ポジティブ感情と脳卒中など心血管疾患との関連はないことがわかった、


というおはなし。


感想:

健康なときのポジティブさってぜんぜんあてにならない気がする。

脳卒中で身体が半分動かなくなってなお ポジティブでいられたら、、本当にポジティブなんだろうねぇ

2015年2月14日

低炭水化物ダイエットで脳卒中を治す ケトン食療法とは!?


Ketogenic Diet Provides Neuroprotective Effects against Ischemic Stroke Neuronal Damages.
2014  12月  イラン

ケトン食療法の脳卒中治療効果についてまとめてみたそうな。

・ケトン食療法では高脂肪、低炭水化物、低たんぱく質の食事を続ける。

・その結果、脳ではブドウ糖の代わりにケトン体が消費されるようになる。

・この代謝効果により、ある種のてんかん発作を防げることが1920年代よりわかっている。

・数々の動物実験によればケトン食療法には神経保護効果が認められており、

・脳卒中で血の巡りの悪くなった組織の興奮毒性を抑え、活性酸素を除去し、細胞死を防ぐ効果が期待されている、


というおはなし。
ケトン食療法
感想:

ケトン食療法 知らなかった。


2015年2月13日

脳卒中が起きやすいのは何月?


Effect of Seasonal and Monthly Variation in Weather and Air Pollution Factors on Stroke Incidence in Seoul, Korea.
2015  2月  韓国

脳卒中が起きやすい気象、環境要因について調べてみたそうな。


2004-2013の3000人あまりの脳卒中患者記録を解析した結果、


次のことがわかった。

・脳卒中の発生率は9月がダントツで高かった。

・脳梗塞は明らかに冬よりも夏に起きやすく、脳内出血の季節傾向は確認できなかった。

・平均気温が高くなるほど脳梗塞が起きやすかった。

・大気中の二酸化窒素NO2濃度が高くなると高齢者の脳内出血が増加した。


脳梗塞は夏に起きやすく、大気中の二酸化窒素は脳内出血のもと、


というおはなし。



感想:

お隣の国だから似ているかと思いきや 実感とちがうな、、冬じゃないのかね。

2015年2月12日

脳卒中やった人の運転はかなり危ないことが判明


Stroke survivors more likely to make dangerous driving errors
2015  2月  カナダ
米国脳卒中国際会議で昨日 カナダのある病院が自動車運転に関する2つの研究成果を発表した。

1件目:

発症7日以内の軽症脳梗塞患者10人と健常者10人についてドライブシミュレータでミスを犯す頻度を調べたところ、

次のようになった。

・脳卒中患者はミスが健常者の2倍だった。

・特に左折時のミスが多かった。

・バス追尾課題のミスは4倍だった。


2件目:

発症後3ヶ月以上経ち自立生活しているクモ膜下出血経験者9人と健常者9人についてドライブシミュレータでの結果を比較したところ、

次のことがわかった。

・患者は健常者の2倍の頻度で衝突事故を起こし、脱輪頻度は3倍だった。

・混雑時の左折事故が多かった。

・右折は健常者と同レベルだった。

・健常者が犯すミスは主にスピード超過によるものだった。


脳卒中経験者の自動車運転はとてもミスが多い、


というおはなし。

自動車運転


感想:

カナダは右側通行だから、日本だったら右折の事故に注意しろってことなんだよな。

運転できると脳卒中経験者であることや片麻痺を一瞬忘れてしまう。けど、状況変化に気づく早さや動作の遅れは明らかに健康な時とは異なる。

運転再開して5年経つけど、これまで事故がなかったのは運が良かったとしか思えないときがある。

2015年2月11日

2015年2月10日

外国語を話す脳卒中患者の死亡率が低い なぜなのか?


Impact of Language Barriers on Stroke Care and Outcomes.
2015  2月  カナダ

急性期脳卒中への治療方針は患者とのコミュニケーションに依存するところが少なくない。

そこで、言語障壁(互いの主用言語を理解できない)がある場合の脳卒中患者の予後について調べてみたそうな。


脳卒中患者12787人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・1506件のケースで言語障壁があった。

・7日内死亡率は、言語障壁がある場合は 7.0%、無い場合に 9.2%だった。

・しかし、言語障壁患者は退院時の障害がやや重い傾向にあった。

・院内合併症の率には差がなく、治療の質は言語障壁患者で良好だった。


言語障壁のある脳卒中患者はなぜか死亡率が低かった。他の要因を考慮に入れてなお、これらの差は変わらなかった、


というおはなし。
言語障壁

感想:

うまくコミュニケーションとって うっかりお医者さんをやる気にさせてしまうと tPAを打たれてしまう。その結果 出血ドバッで死亡、となる可能性も高まる。たまたまうまくいった患者は障害も軽く退院できる。

そういうことだと思う。

2015年2月9日

脳卒中患者の正しい寝かせ方 ニュートラルポジションとは


Conventional versus neutral positioning in central neurological disease: a multicenter randomized controlled trial.
2015  1月  ドイツ

脳損傷で歩けない患者に適した寝かせ方を調べてみたそうな。


脳卒中141人を含む計218人の歩行不能患者について、次の2種類の寝かせ方

*従来ポジション
*ニュートラルポジション

に2時間おいた後、

他動的な関節可動域を 股関節および肩関節について調べ比較した。

患者の寝かせ方
a) 従来ポジション、 b) ニュートラルポジション


次のことがわかった。

・ニュートラルポジションの患者の股関節可動域は従来ポジションに比べ有意に広かった。

・肩関節についても同様だった。

・「快適だった」とする患者の割合は、ニュートラルポジションで81%だったのに比べ、従来ポジションでは38%だった。


歩行できない患者をニュートラルポジションに2時間おくことで股関節および肩関節の他動的可動域が改善し、快適さも高かった、


というおはなし。



感想:

ちなみに片麻痺のがわを下にしても上にしても効果はかわらないらしい。

2015年2月8日

妊娠で脳卒中が再発してしまうのか?


Recurrence of stroke amongst women of reproductive age: impact of and on subsequent pregnancies.
2015  2月  スペイン

妊娠によって脳卒中が再発する可能性について調べてみたそうな。


45歳未満で脳卒中経験のある女性について、妊娠および脳卒中再発の有無を電話調査した結果、


次のことがわかった。

・平均年令35、102人の女性を7年間あまり追跡した。

・32件27人の妊娠があった。

・1人は体外受精だった。

・神経科医のフォローを受けていた者は8人のみだった。

・脳出血歴のない26人のうち62%が抗血栓治療を受けていた。

・妊娠、産褥期に脳卒中が再発した者はいなかった。

・一方、妊娠しなかった女性のうち7人で脳卒中が再発していた。


妊娠で脳卒中が再発する可能性は非常に低いであろう、


というおはなし。


感想:

妊娠してると脳出血しやすいという話はきいたことあるけど、そういうわけでもないみたい、、
妊婦の脳卒中について

2015年2月7日

脳内出血の女性はなぜか死なない


Lower hazard ratio for death in women with cerebral hemorrhage.
2015  2月  日本

女性脳卒中患者の死んでしまいやすさを男性と比べてみたそうな。


1999-2009京都の1万3千人あまりの脳卒中登録データを使って、脳卒中後30日内死亡リスクを男性に対する女性の比として、脳卒中の種類別、入院時の意識レベル別に解析した。


次のようになった。

・脳卒中30日死亡リスクの比(女性/男性)は、脳卒中全体で1.04倍、脳梗塞で0.91、脳内出血0.53、クモ膜下出血では0.89だった。

・特に脳内出血での意識レベル別での比は、意識がはっきりしている場合に0.32、名前言えないレベルで0.79だった。


30日死亡リスクを脳卒中種類別に評価した結果、女性の脳内出血での死亡リスクが男性にくらべ非常に低かった、


というおはなし。

京都

感想:

なぜなのか?

2015年2月6日

マルチビタミンの脳卒中予防効果について


Multivitamin use and cardiovascular disease in a prospective study of women.
2015  1月  スウェーデン

マルチビタミンサプリメントが 脳卒中など心血管疾患の予防になるのか効果を長期的に調べてみたそうな。


健康で45歳以上の女性37193人について、ライフスタイルや食習慣を申告してもらい、脳卒中や心筋梗塞など心血管疾患の発生を16年間あまり追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・調査期間中に1493件の心血管疾患が起きた。

・マルチビタミンの使用の有無と心血管疾患との関連はなかった。

・70歳以上で果物や野菜をほとんど摂らないグループで予防効果が見られたが有意なレベルではなかった。


中高年女性のマルチビタミンの使用は、脳卒中など心血管疾患の予防にはならない、


というおはなし。


感想:

男性についてはこの記事を思い出した。
マルチビタミンを10年以上飲んでも脳卒中予防にならないことが判明


2015年2月5日

ニオイで脳卒中患者のバランスを改善する可能性について


The effect of olfactory stimuli on the balance ability of stroke patients.
2015  1月  韓国

嗅覚刺激は脳のさまざまな領域を活性化させると言われている。

脳卒中患者にニオイをかがせたときのバランス能力変化を実験してみたそうな。


33人の慢性期脳卒中患者について、次の3種類の嗅覚刺激物質ごとにグループ分けした。

*ブラックペッパーオイル
*ラベンダーオイル
*蒸留水

嗅覚刺激前後での身体の重心の動揺を 開眼時、閉眼時で測定、解析した結果、


次のようになった。

・嗅覚刺激の前後で開眼時に重心の前後、左右への動揺の大きな差が見られた。

・特に、ブラックペッパー刺激では左右方向へ、ラベンダー刺激では動揺面積に有意な差が確認できた。


嗅覚刺激による脳活動が脳卒中患者のバランス能力に影響を与えることが確認できた、


というおはなし。
嗅覚


感想:

なんでじゃ?と思ったら、、

島皮質あたりで嗅覚と前庭感覚の情報処理が共通しているらしいことが理由じゃないか、と書いてあった。

たしかに 頭がクラックラする匂いってあるよね。

2015年2月4日

脳卒中でイングリッシュしか話せなくなった94歳中国人女性


Chinese woman wakes from coma after suffering stroke - but can only speak ENGLISH
2015  2月  イギリス


脳卒中の昏睡から目が覚めるとなぜか英語しか話せなくなっていた中国人女性のニュースレポート。

中国人女性
動画(48秒)へのリンク



あらすじ:

・中国人女性リウさん94歳は、30年前まで英語教師をしていたが退職してからずっと英語は使っていなかった。

・脳梗塞になり2週間の昏睡から目が覚めると英語しか話せなくなっていた。

・しかし母国語の中国語を聴きとることはできる。

・医師曰く 『中国語を話す機能を担う脳の部分が損傷したのだろう』、


というおはなし。


感想:

動画おもしろい。英語の質問に英語で答えるのは期待通りとして、中国語の問いかけに英語で返す様子がなんとも奇妙。ボケちゃっただけなのかな、、と思った。

2015年2月3日

運動観察が慢性期の脳卒中上肢麻痺に効くことが判明


Does Action Observation Training With Immediate Physical Practice Improve Hemiparetic Upper-Limb Function in Chronic Stroke?
2015  1月  オーストラリア

運動観察はミラーニューロンネットワークを介して運動システムへの準備を促すという。

運動観察と理学療法を組み合わせたときの上肢機能の改善効果を調べてみたそうな。


脳卒中の慢性期で片麻痺の14人について、

*運動観察グループ
*リラクゼーション(比較)グループ

に分けた。

運動観察グループでは 30秒間の上肢運動ビデオを観せた直後に 同内容の理学療法訓練を行った。

2週間つづけた結果、


次のようになった。

・両グループ共に上肢運動機能および上肢使用の自己認識度が改善した。

・運動観察グループでの改善度はリラクゼーショングループのそれを大きく上回った。

・被験者は訓練前の運動ビデオを高評価した。


理学療法に運動観察を加えるとより効果的である。脳卒中の慢性期であっても簡単に成果を出せるかも、


というおはなし。
ビデオ観察


感想:

事前にリハーサルビデオを見せたら仕事がはかどった、ってだけの話にみえるけど 「ミラーニューロン」って単語をひとつはさむだけでアカデミックな印象になるよね。

2015年2月2日

ひまんは脳卒中の再発にも強いのか?


The obesity paradox in stroke: lower mortality and lower risk of readmission for recurrent stroke in obese stroke patients.
2015  1月  デンマーク

肥満はおおくの病気のもとであり 長生きできないと言われる。しかし脳卒中に限ってはなぜか死亡率が低い。

このパラドックスが脳卒中の再発についても同様なのか調べてみたそうな。


BMI情報のある脳卒中患者29326人について約10年間追跡調査したところ、


次のことがわかった。

・調査期間に被験者の26.9%が死亡し、8.3%が脳卒中の再発で入院した。

・標準体重者に比べ、過体重(BMI:25-30)および肥満(BMI>30)の死亡率はとても低かった(0.8倍)。

・一方、低体重(BMI<18.5)の死亡率は非常に高かった(1.7倍)。

・脳卒中の再発で入院するリスクも、肥満者でとても低かった(0.8倍)。


肥満の脳卒中患者は死亡率が低いのみならず 再発率も低かった、


というおはなし。



感想:

肥満パラドックスを知ってから何度も太ろうとしてきたけど、けっきょくいつもお腹を壊しておしまい。

2015年2月1日

じっさい ビデオゲームで脳卒中リハビリする療法士さんはどれくらいいるの?


Commercial gaming devices for stroke upper limb rehabilitation: a survey of current practice.
2015  1月  イギリス

ビデオゲームを使った脳卒中リハビリについて療法士さんにアンケート調査してみたそうな。


127人の療法士に尋ねたところ、


次のようになった。

・88%から回答があった。

・回答した療法士の18%が脳卒中リハビリにビデオゲームを取り入れていた。

・61%はゲーム機がそろえばやってみたいと考えていた。

・ゲームリハビリの83%は任天堂Wiiを利用し、時間は約30分、週に1-2回だった。

・ゲームリハビリを行った療法士の51%は疲労、硬直、疼痛といった有害事象を1度は経験していた。

・ゲームリハビリは概ね楽しいけれど時間、スペース、コストの点で利用に躊躇があった。


療法士の5人に1人はビデオゲームをリハビリに取り入れていた。しかしその半数は有害事象も経験していた、


というおはなし。

キャズム


感想:

18%って いわゆるキャズムをちょうど超えたあたりじゃないかな。爆発的普及は目前か、、
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pv

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