半側空間無視のある脳卒中片麻痺患者は麻痺側の腕の位置感覚が非常に低下する。
これを前庭感覚電気刺激(GVS)によって改善できるかどうか実験してみたそうな。
GVS(Galvanic Vestibular Stimulation)は
左右の耳の後ろに電極を付け微弱電流を流すと
プラス極側に身体が傾いたと感じる現象を指す。
・半側空間無視のある左片麻痺患者7人、
・半側空間無視のない左片麻痺患者15人、
・健常人10人
について
GVSの有無、偽刺激、電極を入れ替えたときそれぞれについて腕の位置感覚を調べるテストを行った。
結果は、次のようになった。
・半側空間無視があると麻痺側の腕の位置感覚が他のグループに比べ大きく劣った。
・左マイナス、右プラスのGVSのとき腕の位置感覚が大きく改善し、20分後も効果が続いた。
・半側空間無視のない患者にはGVSはまったく効果がなかった。
・健常人に左プラス、右マイナスのGVSを与えると左側の腕位置感覚が大きく乱れた。
GVSにより半側空間無視患者の腕位置感覚が大きく改善された。
今回はGVSが1回きりだったので、繰り返した時の効果を調べてみたい、
というおはなし。
感想:
おもしろそう。
乾電池の電流で内耳に刺激を与えて視床皮質ネットワークに影響を与える。
大阪大学のこのビデオ(前半)がよくわかる。