Intermittent theta burst stimulation over ipsilesional primary motor cortex of subacute ischemic stroke patients: A pilot study.
2012 5月 台湾
脳卒中リハビリに役立つ新しい磁気刺激方法を開発したので早速患者に試してみたそうな。
12人の脳梗塞患者を6人ずつ、
・磁気刺激グループ
・偽の刺激グループ
に分けて10日間治療を行った。
並行して通常のリハビリも行った。
新しい磁気刺激は、
間欠的シータバースト(iTBS :intermittent theta burst stimulation)
という方法を採用し、
合計で1200個のパルス刺激をダメージを負った脳の運動野に与えた。(iTBS1200)
この効果を、
治療直後と60日後に6つの評価方法と
脳磁図検査で検証した。
その結果、
・この磁気刺激治療は発作や悪影響なしに完了した。
・2つの評価基準で偽刺激グループに比べ改善が確認できた。
・他の4つの評価基準では両グループで違いはなかった。
・脳磁図検査では運動に関連した脳の働きの増加が、治療直後に確認できた。
このあたらしい磁気刺激方法は
脳卒中リハビリにさらなる革命をもたらすかもしれない、
というおはなし。
感想:
最近は磁気刺激というとrTMSよりもTBS(シータバースト刺激)のほうがよくでてくる…気がする。
調べてみると、シータバースト刺激(TBS)ってこんな感じで、
この図では、各パルスは細かい4つの子パルスの束からできている。
この一連のパルス(シータバースト)を5Hzで2秒間(=40発)与えて、
20秒ほど間を開けて(間欠)
また繰り返す・・・・・・
と、11分で1200発打ち終える。
TBSがいままでのrTMSと異なる点は、
1パルスを構成する子パルスの数が増えているところにある、と考える。
いっぱいパルスを当てることができるので、
rTMSよりも長い持続効果が期待されている。
一方、パルス数が増えた分、安全性の観点から
磁気強度を大幅に下げることになると思う。
そのため、被験者がその最中に磁気刺激を受けていることが
まったくわからないほどに刺激が弱いかもしれない。
いままでのTMSは電気ショック療法の延長だったけど、
TBSは 少し お上品な刺激法である、
と 勝手に推測してみた。