ボツリヌス毒素療法は脳卒中後の
上肢の痙縮を緩和する効果がある。
ひょっとしたら脳の運動神経系への影響も
あるかもしれないので確認してみたそうな。
慢性期脳梗塞で上肢痙縮中の5人の患者について、
・ボツリヌス毒素療法前、
・4週間後、
・11週間後
での脳機能MRIを撮影し、
大脳皮質の活動領域の変化を観察した。
その結果、
治療前と治療直後の脳の活動領域には
大きな違いが見られた。
また、薬の効果が切れかけている11週間後の
状態は、治療前のそれとよく似ていた。
ボツリヌス毒素による痙縮治療は、
単に筋肉に働きかけるだけでなく、
大脳皮質を含む感覚運動神経系
のどこかのレベルにも作用している
かもしれない、
というおはなし。
感想:
こういう研究があると、
ボツリヌス療法が一時的な対症療法ではなく、
どこか 奥の深い治療法に見えてくる。
そのうち
あたまに "ニューロ" や "ブレイン" が
付くようになるかもしれない。