Mirror-view reverses somatoparaphrenia: Dissociation between first- and third-person perspectives on body ownership.
2011 10月 イギリス
脳卒中で右脳に損傷を負った患者は自らの身体が
他人のものであるかのような感覚を持つ場合がある。
これを "身体パラフレニア" と言う。
身体パラフレニアのある患者に
鏡を見せた場合の反応を調べたそうな。
右脳損傷で左片麻痺の脳卒中患者5人について、
(うち2人は身体パラフレニアがある患者)
・左腕を直接見る場合と、
・前に置いた鏡に映して見る場合とで
その身体所有感覚を調査した。
結果は、
身体パラフレニアのある患者は、
・自分の左腕を直接見る場合は他人の腕のように感じた。
・鏡に映すと自分の腕のように感じた。
・この切り替えはほとんど一瞬で起きた。
・患者自身はこの身体所有感覚の変化に疑問を感じなかった。
・この切替えに際し実験者が腕に触れても同じ結果だった。
身体が他人のもののように感じる理由は、
自身の感覚統合能力の低下によるもの、と考えられた。
つまり、身体パラフレニアは自身の身体に対する
客観的感覚と主観的な視点との神経学的な
乖離現象であると推測できる。
乳児が初めて鏡に映る自分を理解できないのと同様の
仕組みがあるのかも知れない、
というおはなし。
感想:
これがヒドくなるとエイリアンハンドシンドロームになるのかな。
わたしも、
左手足が自分のものではなく、
高性能の義手、義足であるかのような感覚は常にある。