反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)と通常の作業療法を
脳卒中片麻痺患者に施したところ、
上肢機能が著しく改善した、という いつもの内容。
ここで 被験者として選別する際の上肢麻痺程度の条件として
"手指のBrunnstrom stageが3から5"
とあったので検索してみた。
Brunnstrom stage
(Brunnstrom S: Movement therapy in hemiplegia; A neurophysiological approach. Harper & Row, New York, 1970.)
自分の麻痺経験から、
ステージⅢの "握れるが開けない" と
Ⅳの "横つまみ・僅かな伸展"
との間には非常に高い壁があって、
これを超えるための効果的な治療法は
現在この世には存在していない、と理解している。
もし、このrTMS治療法で ステージⅢをⅣ以上に押し上げる効果があるのだとしたら、
是非、ノーベル医学賞をもらって欲しいと思う。
一方で、ステージⅣ、Ⅴの状態をさらに改善することは極めて易しいことと考える。
(すでに指を開くことが出来るのだから、たくさん練習させればイイだけ。)
だから、Ⅲと Ⅳ,Ⅴの患者を一緒くたにして
上肢麻痺に著しい改善効果があった、
とするのはあまりフェアではないと思うんだよね。
関連記事:rTMS治療中に居眠りしていた脳卒中患者の末路