~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

検索キーワード「BDNF」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示
検索キーワード「BDNF」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示

2016年6月20日

BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について


Low Circulating Acute Brain-Derived Neurotrophic Factor Levels Are Associated With Poor Long-Term Functional Outcome After Ischemic Stroke.
2016  6月  スウェーデン

脳由来神経栄養因子(BDNF)は脳の可塑性、神経新生の重要な役割を担い、脳卒中の予後に大きく影響すると考えられている。

脳卒中で入院時の血中BDNF濃度が患者の短期的 長期的な回復にどう影響するのか調べてみたそうな。


脳梗塞患者491人の入院時血中BDNF濃度を測定し、健常者513人と比較した。

3ヶ月、2年、7年後の生活自立度を測定してBDNFとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳梗塞患者のBDNF濃度は健常者に比べ明らかに低かった。

・BDNF濃度は3ヶ月後の回復度合いには関連しなかった。

・しかしBDNF濃度が特に低いグループでは2年後 7年後の回復不良リスクが高かった。

・この関連は高血圧や糖尿、脳卒中重症度に依らなかった。

急性期脳梗塞患者の血中BDNF濃度は低かった。そのうちさらに低い者は長期的な機能回復不良になりやすかった、


というおはなし。

図:BDNFと2年、7年後の回復

感想:

リハビリはすぐ頭打ちになって諦めがちになるけど、このBDNFのように早期には影響なくても 2年-7年かけてじっくりと脳と身体を癒やす仕組みが備わってるのかもね。
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2017年11月3日

1回でBDNFが増える歩行強度がわかった


A single session of moderate intensity walking increases brain-derived neurotrophic factor (BDNF) in the chronic post-stroke patients.
2017  10月  ブラジル

脳由来神経栄養因子(BDNF)は神経細胞の可塑性をうながし運動学習やリハビリに不可欠なタンパク質である。

BDNFは脳卒中患者の長期の有酸素運動によって増加することがわかっているが 短い運動でも増える可能性はある。

そこで、1回でBDNFが増える運動の種類と強度をさぐるべく実験してみたそうな。

2017年5月15日

上肢機能の回復はBDNF遺伝子の型で決まっていた


Association Between Brain-Derived Neurotrophic Factor Genotype and Upper Extremity Motor Outcome After Stroke
2017  5月  韓国

脳卒中後の回復の鍵となる神経可塑性には脳由来神経栄養因子(BDNF)が深くかかわっていると考えられている。

BDNFには遺伝子多型 "Val66Met"(66番目のアミノ酸がバリン→メチオニンに変化)があり、BDNFの分泌能低下との関係が報告されている。

そこで、脳卒中後の上肢運動機能とBDNF遺伝子型との関連をしらべてみたそうな。

2016年9月13日

BDNFって脳卒中やると少なくなるの?


Decreased Brain-Derived Neurotrophic Factor Serum Concentrations in Chronic Post-Stroke Subjects.
2016  9月  ブラジル

脳由来神経栄養因子(BDNF)は 脳卒中のあとの感覚運動機能の回復に重要な役割を担うタンパク質である。

そこで脳卒中患者についてBDNFの量を健常者と比較してみたそうな。


平均年齢62、発症から6ヶ月以上の脳卒中で片麻痺の患者17名と 同性 同年齢の健常者17名について血液中のBDNF濃度を測定したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者のBDNF濃度は健常者の57%程度だった。

・BDNF濃度と脳卒中からの期間、年齢、QoL、移動能力、上肢機能との関連は見られなかった。

慢性期脳卒中患者の血中BDNF濃度はかなり低下していた、


というおはなし。

図:片麻痺患者のBDNF

感想:

これ↓思い出した。
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について

傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

2018年2月2日

亜麻仁油とってると脳卒中になっても安心?


The Neuroprotective Effects of Flaxseed Oil Supplementation on Functional Motor Recovery in a Model of Ischemic Brain Stroke: Upregulation of BDNF and GDNF.
2017  12月  イラン

亜麻仁油は抗酸化作用をもち DHAやEPAのもとになるω-3不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むことで知られている。

また、ω-3不飽和脂肪酸が不足するとBDNFといった脳の可塑性に不可欠な神経栄養因子も低下してしまうことが動物実験でわかっている。

そこで、亜麻仁油サプリメントを事前に摂らせておいたときの脳卒中の影響を運動機能と神経栄養因子の点からしらべてみたそうな。


亜麻仁油(0.8g/kg)または生理食塩水を毎日3週間 摂らせていたネズミを人為的に脳虚血にしたあと再灌流した。

24時間後の運動機能と運動皮質でのBDNF(脳由来神経栄養因子)とGDNF(グリア細胞由来神経栄養因子)の量を調べたところ、


次のようになった。

・生理食塩水グループにくらべ亜麻仁油グループの運動機能の回復はあきらかにすぐれていた。

・生理食塩水グループは脳虚血によりBDNFとGDNFがはっきりと減少していたが、

・亜麻仁油グループではBDNFとGDNFおよび遺伝子発現量が平常時よりも著しく増加していた。

亜麻仁油サプリメントを事前摂取すると 脳卒中後にBDNFやGDNFが増加して神経を保護する効果がある、


というおはなし。
図:脳卒中への亜麻仁油のBDNF増産効果

感想:

亜麻仁油はさいきんスーパーでも見かける。でも経済が破綻するのでまだ買わない。

これまで健常者での実験はあった。↓
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに

[BDNF]の関連記事

2015年4月20日

傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに


Oral consumption of α-linolenic acid increases serum BDNF levels in healthy adult humans.
2015  2月  イラン

αリノレン酸はDHAの素になる必須栄養素である。DHAが不足すると子供の脳の発達が妨げられ、大人では認知症の原因となる。

そこで、αリノレン酸のサプリメントを与えた時にBDNF(脳由来神経栄養因子:神経細胞の生存、成長、シナプス機能を調整するたんぱく質)も増えるものかどうか実験してみたそうな。


健康な男女15人ずつに、αリノレン酸が1カプセルに530mg含まれるサプリメント を1日に3カプセルx1週間与えて血中のBDNF濃度の変化を調べた。

αリノレン酸サプリメントとしてフラックスシードオイル(亜麻仁油)を使用した。


次のようになった。

・実験終了後、血中のBDNF濃度が有意に上昇した。

・上昇度は女性がやや多かった。


αリノレン酸サプリメントを飲むとBDNFが増えるので、脳卒中患者の梗塞を最小限に抑えることができるかもしれない、


というおはなし。

αリノレン酸でBDNF


感想:

さいきん植物油の危険性の話をあちこちでよく耳にするので関心を持った。

例外的なのがこの亜麻仁油とエゴマ油。 ただ、どちらも高価。
高血圧+キャノーラ油で脳出血が確定?

2022年11月11日

Stroke誌:脳由来神経栄養因子がふえる運動

2022  11月  オーストラリア


BDNF(脳由来神経栄養因子)は、神経細胞の成長やシナプス機能亢進を調節するタンパク質で、脳卒中後の機能回復と関連すると考えられている。

脳卒中患者において、運動後にBDNF濃度が上昇するとする報告があるが、くわしい条件はあきらかになっていないのでメタアナリシスをこころみたそうな。

2023年5月4日

脳内出血急性期の鍼治療の予後とBDNF

2023  4月  中国


鍼灸は、世界保健機関WHOが脳卒中後の代替補完治療として推奨している。

中国伝統医学の文献では、鍼が血腫の吸収を助け、神経障害を改善するとされている。

そこで、脳内出血の急性期における鍼治療が、患者の予後と脳由来神経栄養因子BDNFに及ぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。

2017年11月2日

人間関係とBDNF そして脳卒中


Associations between social relationship measures, serum brain-derived neurotrophic factor, and risk of stroke and dementia.
2017  10月  アメリカ

人との社会的関係は心身の健康と密接な関連がある。

このメカニズムはよくわかっていないが、たとえば神経の維持 成長 分化を促進するタンパク質:脳由来神経栄養因子(BDNF)がこれを仲介するという説がある。
仲間の多い環境にいるとBDNFが増え これに関連して脳卒中や認知症リスクが低下することが動物実験で示されている。

人間ではどうか、フラミンガム心臓研究のデータを使ってしらべてみたそうな。


3294人の記録について人との社会的関係と血清BDNFおよび脳卒中や認知症との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・社会的孤立度が高いほどBDNFは少なかった。

・交友関係がおおいほど脳卒中や認知症リスクは低かった。

・話を聞いてくれる、アドバイスをくれる、愛情をしめしてくれる人以上に、感情的サポートを得られる人との関係を持つ者の脳卒中や認知症リスクが低く 特に喫煙者でこの関連がつよかった。

人から多くのサポートを得られる状況にある者ほどBDNFはおおく、脳卒中や認知症のリスクは低かった、


というおはなし。
図:人間関係と脳卒中 認知症リスク

感想:

こころから親身になって話を聞いてくれる人なんて何人もいないんだよふつう。そこを勘違いするとかえって孤独を感じるんじゃないかな。

2014年7月28日

早期リハビリに適した運動強度がわかった


Gradually increased training intensity benefits rehabilitation outcome after stroke by BDNF upregulation and stress suppression.
2014  6月  香港

脳卒中早期の身体トレーニングは効果的なリハビリに欠かせない。しかし通常その運動強度は一定である。

リハビリ運動強度とその効果との関係を調べてみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミ60匹を運動強度別に次の4グループに分け、1回30分間のトレッドミル訓練を7日間行った。


*比較(なにもしない)グループ
*低速度グループ(5m/分)
*低速度から高速度に徐々に速くするグループ
*高速度グループ(26m/分)

訓練後の運動機能、血中コルチコステロンでストレス度、脳神経再生を促すタンパク質(BDNF)を測定、比較した。


次のようになった。

・徐々に運動強度を強くするグループで運動機能の著しい改善があり、

・同時に海馬でのBDNF濃度がもっとも高くなった。

・高強度グループではストレスレベルが非常に高かった。


徐々に運動強度を高めてゆくトレーニングは効果的でかつストレスも少ない。この結果は人に応用できるかも知れない、


というおはなし。


BDNF濃度
脳の各所でのBDNF濃度 グループ別


感想:

こういう結果になる理由として、運動のストレスはありすぎても なさすぎても良くないから、と考察している。

ほどほどの見極めが大切らしい。

2021年7月17日

音楽に長時間さらされると脳が復活する?

2021  7月  中国


音楽が心拍数や血圧に影響することがわかっている。また、音楽療法により聴覚野、運動野、海馬を活性化できるとする報告もある。

さらに音楽療法は脳卒中後の言語障害、運動障害、認知 気分障害に良い影響を与えると考えられている。

しかし、その最適な用量とメカニズムについてはよくわかっていないので、動物実験でくわしくしらべてみたそうな。

2017年7月19日

イチョウ葉エキスが脳梗塞に効く理由


Ginkgolide B Modulates BDNF Expression in Acute Ischemic Stroke.
2017  7月  中国

イチョウ葉のエキスは中国で5000年前から脳卒中の治療に用いられてきた。その主成分であるギンコライドBには血栓や炎症を防ぐ効果があることがわかっている。

ギンコライドBの脳梗塞治療効果をBDNF(脳由来神経栄養因子)をふくめしらべてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミに60分後ギンコライドB(~4mg/kg)を与えた。

72時間後の梗塞の大きさ、BDNF、細胞死関連たんぱく質を測定したところ、


次のことがわかった。

・ギンコライドBグループでは神経症状、浮腫、梗塞体積があきらかに減少した。

・さらに細胞死を抑制するたんぱく質が増え、促進するたんぱく質は減少した。

・またBDNFも増加していた。

ギンコライドBが脳虚血からの障害の程度をやわらげていた。BDNFを増やし細胞死を抑えるメカニズムが考えられた、


というおはなし。

図:

感想:

"イチョウ葉エキスのサプリメント" いっぱいあるね。

2011年2月26日

リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.


The effects of voluntary, involuntary, and forced exercises on brain-derived neurotrophic factor and motor function recovery: a rat brain ischemia model.
2011 2月 中国



自発的な運動、強制された運動、筋肉への電気刺激、
この3つの どのリハビリ方法がもっとも効果的なのか、
を調べたそうな。


117匹のネズミを次の4グループに分けて
人為的に脳梗塞にした。


1.籠にほったらかし

2.回し車で好きなだけ運動

3.トレッドミルで強制ランニング

4.歩行周期で筋肉を電気刺激


これを各グループで7日間続けた後に
運動機能回復の程度を評価し、

最後に解剖して
ストレスホルモンと
脳に含まれる神経栄養因子BDNF)の量を測定した。



その結果、
回し車で運動していたグループがもっとも運動機能が回復し、
ストレス量を示すホルモンは少なく、

神経の成長を促すとされるBDNFの量も
他のグループと比較して一番多かった。



また、強制ランニングさせられていたグループでは
運動機能の回復程度が低く、
ストレスホルモンの量がハンパなく多かった。
また、BDNFは最低だった。



リハビリの強制はよくない。
本人のやる気がいちばん大切、ってはなし。




bdnf.png
各グループでの海馬のBDNFの量


ちなみに、筋電気刺激がなかなかイイらしい。(図の2番目の棒)

2013年12月8日

脳卒中後のボケはエアロビクスで治る


Aerobic exercises enhance cognitive functions and brain derived neurotrophic factor in ischemic stroke patients.
2013  11月  エジプト

脳卒中にはなんらかの認知障害がつきものである。

そこで、有酸素運動が認知機能を改善するものかどうか、神経の成長を司るタンパク質に着目して調べてみたそうな。


前頭部の脳梗塞で入院した患者30人について、通常の理学療法に加えて有酸素運動を行うグループと なしのグループに分けてその前後での認知機能テストおよび脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度を測定、比較した。


次のようになった。

・有酸素運動グループで認知機能テストスコアが著しく向上した。

・同様に、有酸素運動グループでBDNF濃度も大きく上昇した。

・BDNF濃度の上昇度と認知機能テストのスコアの改善度とは関連があった。


脳梗塞患者の認知機能は有酸素運動で改善した。これは血中BDNF濃度と関係していた、


というおはなし。


2016年5月2日

脳卒中の高齢一人暮らしがすぐに死んでしまう理由


Reversal of the Detrimental Effects of Post-Stroke Social Isolation by Pair-Housing is Mediated by Activation of BDNF-MAPK/ERK in Aged Mice.
2016  4月  アメリカ

社会的な孤立は脳卒中死亡率に関連する。

高齢者を想定して、高齢ネズミをつかってこのメカニズムを調べるべく実験してみたそうな。


3週間 2匹ずつペアで飼った高齢ネズミ計140匹を人為的に脳梗塞にして、

*1匹飼いの孤立グループと
*引き続きペアのグループに分けた。

3日後、3週間後の死亡率、神経症状、梗塞の体積およびシナプス可塑性に関する84種の遺伝子を調べたところ、


次のことがわかった。

・3日間死亡率 7.1% vs. 14.2%、 3週間死亡率 19.0% vs. 28.5% でいずれも孤立グループが高かった。

・梗塞の体積は明らかに孤立グループで大きかった。

・感覚運動障害および学習、記憶能力がペアグループで大きく改善した。

・シナプス可塑性に関するいくつかの遺伝子の発現が両グループで異なっていた。

・ペアグループでは脳由来神経栄養因子BDNFが増加しミエリン構成タンパク質を調整していた。

脳卒中のあとの社会的な孤立による死亡率の上昇、神経症状の悪化、梗塞の拡大、特徴的な遺伝子発現、BDNFレベルの低下が確認できた、


というおはなし。

図:BDNF同居

感想:

これ↓思い出した。
一人暮らしの男性脳卒中経験者はなぜ長生きできないのか?

2012年6月28日

脳梗塞を治す経絡秘孔が判明


Electroacupuncture enhances motor recovery performance with brain-derived neurotrophic factor expression in rats with cerebral infarction.
2012  6月  韓国




神経細胞の生存・成長・シナプスの機能亢進などを司る

脳由来神経栄養因子BDNF)は、脳梗塞からの回復に

重要な役割を果たしているという。



電気鍼がBDNFの増加と機能回復に

関わっているかどうか 調べてみたそうな。




人為的に脳梗塞にしたネズミ12匹について、

一部のネズミのツボ:百会(GV20)に電気鍼治療を施し、

機能回復とBDNFおよびその受容体の検出を試みた。





結果は次のようになった。

・電気鍼治療をおこなったネズミの運動機能の回復がみられた。

・同時に梗塞側の脳半球にBDNFおよびその受容体が多く検出された。





ツボ百会への電気鍼刺激は脳梗塞ネズミの運動機能回復と

脳由来神経栄養因子の増加をもたらすことがわかった



というおはなし。



百会

経絡秘孔というのは本当にあるのでしょうか?(by ヤフー知恵袋)



2017年1月17日

刺激豊富な環境っていうけど、どの刺激がいいの?


Effect of Physical and Social Components of Enriched Environment on Astrocytes Proliferation in Rats After Cerebral Ischemia/Reperfusion Injury.
2017  1月  中国

グリア細胞の1つであるアストロサイトはさいきんまで脳の回復の妨げになると考えられてきたが、実はとても重要であることがわかってきた。

いっぽう刺激豊富な環境が脳の回復をうながすという報告が数多くある。どの種類の環境刺激が脳にいいのかアストロサイトに着目してしらべてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミを5つのグループにわけた。

*運動刺激環境(PE):ひろいケージに1匹で遊具がいっぱい
*社会刺激環境(SE):ひろいケージに12匹飼い
*運動社会刺激環境(PSE):ひろいケージに遊具と仲間12匹
*虚血+通常環境(IS):せまいケージに食べ物だけ
*虚血なし+通常環境:せまいケージに食べ物だけ


次のことがわかった。

・行動テストの結果は通常環境にくらべて刺激豊富な環境のネズミで回復がおおきかった。

・梗塞体積が減少したのは運動刺激のあるPE,PSEグループのみだった。

・PE,PSEグループではSEグループにくらべアストロサイトとBDNF(脳由来神経栄養因子)が激増していた。

・アストロサイトとBDNFの増加は機能回復度とよく相関していた。

アストロサイトとBDNFの点で、環境刺激のうち "身体活動" が脳卒中からの回復により重要な刺激要素であった、


というおはなし。
図:梗塞体積と刺激豊富な環境

感想:

これ↓思い出した。
刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由

2013年6月16日

脳卒中後のウツは年齢で違うのかネズミさんで試してみた


The influence of aging on poststroke depression using a rat model via middle cerebral artery occlusion.
2013  6月  イスラエル

脳卒中後のウツと年齢との関連をネズミで実験してみたそうな。


計143匹のネズミについて、生まれて20週または26週で人為的に脳梗塞にした。比較のため、脳梗塞にしないグループも設けた。

脳梗塞後24時間で脳損傷の程度を確認。
3週間後に行動テストと脳由来神経栄養因子(BDNF)の量を測定、比較した。


次のようになった。

・脳の損傷程度は高齢ネズミで大きかった。

・脳梗塞にされたネズミは、若年も高齢も同程度にウツ様行動を示し、共にBDNFは少なかった。



高齢ネズミの方が脳損傷は大きかったのに、行動面では若年ネズミと違いがなかったことから、脳卒中後のウツは年齢に依らないであろう、


というおはなし。


写真:ネズミ、ウツ

2017年5月20日

23年後、突然手がうごくようになった脳梗塞患者の例


Motor Recovery Beginning 23 Years After Ischemic Stroke.
2017  5月  カナダ

脳卒中からの回復はおもに最初の6ヶ月間におき、1年2年と経つとさらなる回復の見込みはほとんどなくなると考えられている。

脳卒中で手がまったく動かなくなってから23年後に突然動くようになった患者がみつかったそうな。

・1979年 15歳だったその男性は父親の車に重いスーツケースを運び込んだあとしばらくして意識をうしなった。胸部動脈の圧迫が原因の脳塞栓症だった。

・右脳の前頭頭頂部に広い梗塞が生じ左半身に重い麻痺が残った。

・4ヶ月後になんとか支えなしに歩けるようにはなったが、肩と肘がすこし動く程度で左手指はまったく使えなくなった。

・その後 2001年 ダイエットのために水泳を始めたところ、翌年に手の指がわずかながら動きはじめた。

・2009年 本格的にリハビリを始め その2年後にはコインやクリップをつまみ上げられるまでになった。

・このときの脳機能MRIを撮ったところ、両脳半球におよぶ広い活動域を確認できた。

何年経っていても回復をあきらめる必要がないことを教えてくれた今回の事例は、脳卒中患者とリハビリ業界におおきな希望をもたらすだろう、


というおはなし。
図:重症脳卒中のあと23年後に左手が動くようになった患者のfMRI

感想:

リハビリしていなくても水面下で回復が進むんだな、、
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について

2019年7月4日

刺激豊富な環境は遅くても間に合うの?


Delayed exposure to environmental enrichment improves functional outcome after stroke
2019  6月  中国

脳卒中のあと刺激豊富な環境(enriched environment)に曝すと回復が促されるとする動物実験の報告がおおくある。

これら報告のほとんどは脳卒中の早期に適用したもので、臨床応用を考えると24時間以内の暴露を想定することになり現実的ではない。

では刺激豊富な環境へおくタイミングを遅らせた場合の神経 認知機能、神経形成についてはよくわかっていないので実験してみたそうな。

welcomeーー>ブログランキング・にほんブログ村へ
pv

過去7日間の人気記事10

回復と予防のヒント100記事(2017年1月までのぶん)

脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について
2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について
高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?
人生に目的を持つ高齢者の脳には梗塞が寄りつかないことが明らかに
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに
脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン
日本人が脳卒中で死なないための生活習慣が判明
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について
脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに
片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方
脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!
高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら
触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』