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2015年7月20日

閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、


Quality of life in patients with locked-in syndrome: Evolution over a 6-year period.
2015  7月  フランス

閉じ込め症候群は 意識を保ちながら四肢麻痺および意思疎通が困難な状態を指す。

脳卒中で閉じ込め症候群になった患者の生活の質(QoL)について調べてみたそうな。


2007年に67人の閉じ込め症候群患者(51人は脳卒中が原因)にアンケート調査し、6年後の2013年にも再度同様のアンケートを送ったところ、


次のようになった。

・2013年には39人から回答を得られた。

・閉じ込め症候群患者のQoLは他の重症患者に比べると満足度が高かった。

・70%の患者は6年間でQoLが安定または改善したと報告した。

・気管切開や胃瘻の造設はQoLに影響しなかった。


予想に反して、閉じ込め症候群患者のQoLは比較的高く 安定していた、


というおはなし。

閉じ込め症候群QoL
安楽死希望が2013に消滅



感想:

かつて身近にそういう人がいたので、この話をきいて少し救われた気がする。


[閉じ込め症候群]の検索結果

2015年8月2日

閉じ込め症候群になると一生まばたきしかできないの?


Beyond the gaze: Communicating in chronic locked-in syndrome.
2015  7月  ベルギー

閉じ込め症候群は脳幹脳卒中で多く、眼球運動やまばたき以外の身体動作が麻痺し 話すこともできないものの意識は保たれた状態を指す。

長く閉じ込め症候群にある患者のコミュニケーション状況について調べてみたそうな。


閉じ込め症候群の患者204人について調査を試みた結果、


次のことがわかった。

・88人から回答が得られた。女性35%、平均年齢52、閉じ込め症候群歴平均10年だった。

・全員が眼球動作でYes/Noを伝える方法を使用していた。

・62%はなんらかの支援技術を併用し、

・49%は音声言語で意思疎通ができ、

・73%は数年のうちにいくつかの機能的動作が可能になっていた。


慢性期にある閉じ込め症候群の患者が眼球運動以外の意思疎通方法を獲得し、話したり何かしらの動作ができるようになる可能性を確認できた、


というおはなし。

閉じ込め症候群

感想:

キビシイ状況には変わりないけど 進歩がないわけではないんだな、、

[閉じ込め症候群]の検索結果

2018年7月19日

閉じ込め症候群に運動させる効果


Effect of Exercise on Physical Recovery of People with Locked-In Syndrome after Stroke: What Do We Know from the Current Evidence? A Systematic Review
2018  7月  中国

閉じ込め症候群は脳幹部の梗塞や出血によっておこることがおおい。

閉じ込め症候群には3つのタイプ、
1)クラシカル型:身体は動かないが垂直眼球運動とまばたきができる状態
2)不完全型:いくつかの自発的な動きができるまで回復した状態
3)完全型:身体も眼球もまったく動かない状態、
がある。

彼らは動かないことにより筋肉の委縮、関節の拘縮化、心肺障害などの合併症をおこしやすい。

そこで彼らに「運動させる」ことの効果をこれまでの報告からまとめてみたそうな。


関連する研究論文を厳選してデータを解析したところ、


次のことがわかった。

・35の事例を含む5つの論文がみつかった。

・このうち26例については身体パフォーマンスになんらかの改善がみられ、9例ではなんの変化もなかった。

・運動の種類や方法は論文ごとにことなり、全例で複数の方法をミックスしたリハビリが行われていた。

・評価方法もそれぞれ異なっていた。

脳卒中で閉じ込め症候群の患者への運動の効果はおおむねポジティブであった。複数の運動方法がミックスされていた。しかしその効果はあきらかではなく、有害事象はなかったものの事例報告ばかりでエビデンスレベルは低かった、


というおはなし。
図:脳卒中で閉じ込め症候群の運動リハビリ

感想:

閉じ込め症候群では意識は清明、それを表現する手段がほとんどないだけで感覚も正常という。

だからうごかない身体を動かすのはリハビリというよりはメンタルヘルス的に重要とおもう。

2016年5月3日

脳幹の脳卒中で閉じ込め症候群になった32歳女性の体験談


‘I was still in there’: A 32-year-old learns what it’s like to be trapped inside her own body
2016  4月  アメリカ

脳卒中で閉じ込め症候群を体験した女性のはなし。
ワシントンポストの記事。

・Brisa Alfaro(ブリサ アルファロ)は彼女が32歳のときに脳幹の脳卒中で入院した。

・外見的には昏睡状態のなか、周囲の音はしっかりと聴こえていた。

・それに気づかない医師たちは『彼女はもう目覚めない』とか『食事はもちろん呼吸すらできないだろう』と彼女の傍で言いたい放題だった。

・それでも彼女の母親は諦めずにベッド脇で語りかけ、さすったり、好きな音楽を聴かせたりし続けていた。

・数日後、目の動きに反応が現れ、医師は閉じ込め症候群に気付いた。

・やがて指がうごきホワイトボードを使ってコミュニケーションできるようになった。

・2年後、リハビリを続けながらも両親の仕事を手伝うまでに回復している。


というおはなし。



感想:

これ↓思い出した。
すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験

2014年10月11日

閉じ込め症候群の脳卒中患者が脳波で意思疎通できるようになった


Noninvasive brain-computer interface enables communication after brainstem stroke.
2014  10月  アメリカ

ブレインコンピュータインターフェース(BCI)は筋肉操作を伴うことなくコミュニケーションを可能とする技術であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の意思疎通実験で成果を挙げている。

そこで脳幹脳卒中で四肢麻痺と発語ができない「閉じ込め症候群」になった ある患者へ適用してみたそうな。


非侵襲的な方法で測定した脳波から事象関連電位を抽出し、スクリーン上で言葉を綴るコンピュータ機能と連携させた。


次のようになった。

・13ヶ月にわたる訓練期間に62回のセッションを記録した。

・このうち42回のセッションでは研究者の指示した言葉を正確に綴ることができ、

・さらには家族へのメッセージを送ることもできた。


BCI技術は閉じ込め症候群患者の希望になるかもしれない、


というおはなし。


図:ブレインコンピュータインターフェイス


感想:

これは素晴らしい。Googleグラス使えば外出先でコミュニケーション、、

2020年1月30日

性交渉中に脳梗塞 そして閉じ込め症候群


Basilar artery thrombosis during sexual intercourse
2020  1月  ドイツ

脳卒中患者290人の調査では1.7%が性交渉が発症のきっかけだったという。

性交渉中には腹部や胸部の内圧が上昇してバルサルバ法に似た効果が生じ血栓ができる可能性がある。

さらに性交渉中の過呼吸が脳血流を50%低下させるとする報告や、オルガスムの直後には脳血管が収縮し頭痛の原因になるという報告もある。

若い女性が性交渉をきっかけに脳底動脈の血栓で脳梗塞から閉じ込め症候群(locked-in syndrome)になった事例があったそうな。

2019年8月24日

カイロプラティックで脳梗塞から閉じ込め症候群に


Locked-In Syndrome Following Cervical Manipulation by a Chiropractor- A Case Report
2019  8月  フランス

椎骨脳底動脈の閉塞は診断がむつかしく予後もわるい。

カイロプラティックがきっかけで椎骨脳底動脈が傷つき梗塞を生じ、閉じ込め症候群になった患者がいたそうな。

2023年7月27日

脳卒中患者の不思議な幸せ:寝たきりでも満足27.2%

2023  7月  中国


寝たきり脳卒中患者の生活満足度を評価し、人口統計学的、社会的、医学的因子との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2021年5月24日

カイロプラティックで椎骨動脈解離の34人

2021  4月  アメリカ


椎骨動脈解離は、まれではあるが若年層の脳梗塞を引き起こす。

その病因として交通事故、頚椎骨折、転倒、カイロプラティックなどが報告されている。

そこで、カイロプラティックが病因の椎骨動脈解離患者の予後について、他の病因の患者とくらべてみたそうな。

2015年6月25日

脳卒中で植物状態になった患者と会話できるアプリを開発


Paralyzed Stroke Victims Speak Again Through App
2015  6月  ロシア
紹介ビデオ


概要
・全身が麻痺して外部との意思疎通ができなくなった閉じ込め症候群の患者を対象とした

・このアプリ(I.am.here)はブレインコンピュータインターフェースで患者の脳波を読み取り解析して

・タブレット上で患者の喜怒哀楽を確認できる機能を持つ。

・ロシアの財団とメディア企業、ソフトウェアメーカーが共同で開発に乗り出した。

・現在、AndroidおよびiOS向けのデモアプリを無料でダウンロードできる。


というおはなし。
I amhere
感想:

開発が始まったばかりのようだけど、さいきん進歩早いからすぐにツイッター版がでるだろな。

2017年7月25日

脳卒中で身の回りのことができないと不幸なの?


Activity limitations and subjective well-being after stroke
2017  7月  アメリカ

脳卒中患者の回復度の研究のおおくは機能障害に着目したもので 主観的な幸福にかんするものは少ない。

日常生活動作上の制限と主観的幸福、および影響する要因についてしらべてみたそうな。


65歳以上の脳卒中経験者738人について、

主観的幸福度を 感情(愉快、退屈、元気、心配)と自己実現(人生の目的、自己受容、環境コントロール)の7項目で評価した。

介助の必要な日常生活動作を11項目(食事、入浴、トイレ、着替え、外出、ベッドからの移動、洗濯、買い物、料理、支払い)から選び関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・日常生活動作上の制限や身体能力と主観的幸福度との相関は弱く、関連要因を考慮に入れるともはや有意な相関ではなくなった。

・疼痛、うつ、社会参加に問題があると主観的幸福度が低かった。

日常生活動作上の制限は脳卒中経験者の主観的幸福に影響しなかった、


というおはなし。
図:日常生活動作11項目

感想:

"幸せ" はまったくの個人的体験であって、他人にはうかがい知れないんだな。

全身がうごかなくてもQoLは高いってはなしを思い出した。↓
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、

2021年8月19日

脳卒中の「障害パラドックス」とは

2021  8月  イギリス


いっぱんに身体障害者の生活の質は低いと思われがちであるが、おおくの脳卒中経験者が自身の生活の質や健康状態を良好であると評価している。

このように、見た目の障害レベルと生活の質や健康に関する本人評価とのあいだのあきらかな乖離は「障害パラドックス」と呼ばれている。

このパラドックスの背景を探るべく、脳卒中経験者に面談してくわしくしらべてみたそうな。

2022年3月13日

1回のカイロプラティックで脚への信号が強くなった

2022  2月  デンマーク


カイロプラティックの脊柱調整(spinal adjustment)は中枢神経系に対しても影響すると考えられている。

その影響は運動誘発電位の変化から推し量ることができる。しかし脳卒中患者についてはわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。
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