元
A textured insole improves gait symmetry in individuals with stroke.
2017 8月 アメリカ
脳卒中患者の歩行では麻痺足をあまり使わず健常足にたよりがちになる。
これを矯正するために健常側の靴に厚い中敷きを入れて麻痺側への体重移動を促す方法があるがあまり効果がない。
こんかい、突起物がたくさんついた中敷きを使用して歩行パラメータの改善度をしらべてみたそうな。
歩行に非対称性のみられる脳卒中患者17人について、
健常側の靴に厚さ1mmのシートに高さ3mmの突起物がたくさんついた中敷きをいれて歩行の各パラメータ(速度、頻度、歩隔、歩幅、単脚時間 等)を測定したところ、
次のようになった。
・立脚および単脚時の対称性、圧力中心のズレがあきらかに改善した。
・単脚支持時間が健常足で減少し 麻痺足で増加した。
・歩行の速度やペースは変わらなかった。
脳卒中患者の健常側の靴にイボ付き中敷きを入れたところ歩行の対称性が改善した,
というおはなし。
感想:
自分の経験にてらすと
歩行に際してはいまも健常な右足にたよることが多く、人混みを長時間歩くと右足のふくらはぎがまっさきにつってしまう。
歩行が非対称になる理由は
麻痺足の裏の触覚がにぶく足首に力を入れるべきタイミングがわからないため 細かな姿勢制御を健常足に頼らざるを得ないからである。
ぎゃくに中敷き療法のような小手先の工夫で健常足の支持時間が低下してしまうと歩行の安全性が損なわれると考える。
中敷き療法は足裏の感覚麻痺の改善にはまったくの無力であり、本質的な治療ではない。障害物のない実験室環境で歩行対称性を矯正できたとしても実生活にはなんの役にもたたないばかりか危険である。